中国中央経済会議 習主席「政策を必ず実行せよ」と警告
習近平国家主席は今月14~16日に開催された中央経済会議で、各地方政府に対して、同会議で制定した不動産市場バブルや国有企業の過剰生産問題などに関する政策と改革方案を「必ず実行せよ」「必ず着実に実施せよ」と命じた。専門家は、これまで習近平政権が制定した政策に抵抗してきた地方政府への、習氏の「警告である」と示した。
国営新華社通信(16日付)によると、同会議では「各級の幹部、特に高級幹部に対して、党中央が制定した経済政策を着実に実行することを政治任務と認識すべだ」と強調した。「党中央が制定した方針政策を必ず実行する。党中央が確定した改革法案を必ず着実に実施する」と示した。
中国政治経済評論家・華頗氏は大紀元の取材に対して、「習氏が中央政府の経済政策を順調に実行するようにと、各地方政府に厳しく指示した。これは高官らへの警告でもある」「中央と地方政府の経済政策、例えば不動産バブルと過剰生産問題などで対立し衝突してきたからだ。地方政府は財政難を解決すために、(投資や不動産がけん引力となって経済が急速に成長した)今までの経済政策を維持しようとした。しかしこれは、中央政府の「安定を保ちつつ、発展と成長を求める」との現在の基本的な経済政策スタンスと対立した」と分析した。
「地方政府は不動産市場から財政収入を得ている。不動産価格と土地価格の上昇は地方政府に有利だ。地方政府と不動産開発企業が中央政府の経済政策の運営を阻止したと言える。これを認識している中央政府側は深刻化した不動産市場バブルが中国経済の崩壊を引き起こすことに警戒している」と述べた。
地方政府がなぜ鋼鉄や石炭の過剰生産になっている企業、いわゆる「ゾンビ企業」の改革を推し進めないのかについて、華氏は「各地にある国有企業が倒産すれば、地方政府が失業した数多くの従業員の再就職や失業手当給付など、多くの課題を抱えることになるからだ」との認識を示した。
16日に閉幕した中央経済会議において、習政権は来年の重要経済任務について「供給側の構造的改革を重点にして、総需要を適度に拡大し、より積極的かつより有効的な財政政策を実施し、金融政策に関しては安定かつ中立的に、金融リスク予防を一段と重要な位置にすべきだ」とした。
また不動産市場バブルに関して、「住宅は住むためのもので、投機活動のためのものではないとの位置づけを堅持していく」「国情に照らして、市場の法則に適した 基礎制度と長期有効なメカニズムの制定を加速化し、不動産バブルを抑制、価格の急騰や急落を防止しなければならない」「(融資や住宅ローンなどの)貸付けが投資・投機を目的とする住宅購入に流れ込むことを厳しく制限する」と今後の不動産バブル抑制の姿勢を示した。
習氏は今年5月に開催された中央経済会議でも、地方政府に対して「必ず実行せよ」と発言し、供給側改革に関して「一部の地方政府がまだ動き出していない」「(改革を)やりたくない」「やる勇気がない」と批判した。
(翻訳編集・張哲)