今年、中国市場を動かす4つの要因=米誌
投資家たちが2017年の中国株式市場に注目するなか、米金融情報誌「バロンズ」(Barron’s)がこのほど、元安や米中貿易関係など今後市場の動きを左右する4つの要因があると示した。
その前に、一度、2016年中国A株式市場を振り返ってみたい。年初めには「サーキットブレーカー」制度(株式市場において、短時間で株価が極端に変動する場合、強制的に取引を停止させる措置)の導入でパニック的な売り注文が殺到して混乱が起きたほか、投資家からの中国経済の先行き懸念や元安観測などで、年間ベースで下落。
主要株価指数の上海総合は12月30日に前年末比12.3%下落の3103.64ポイントで1年間の取引を終えた。また、深セン成分指数と創業板指数も前年末比でそれぞれ、19.6%と27.7%下落した。
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