現在、中国経済がかかえる最大の課題は、急増したマネーサプライ(通貨供給量)によってもたらされた資産バブルだ。中国では、資産運用手段が非常に少ないため、資産バブルを指す場合は不動産バブルを指す。中国政府は異例の経済会議で、今後も厳しいバブル抑制措置を実施する意向を示した。
6中全会の翌日、異例の経済会議
中国共産党中央政治局は10月28日に経済政策方針を示す経済会議を開催。習近平政権が第18期中央委員会第6回全体会議(6中全会)が閉幕した27日の翌日に、経済会議を開くのは極めて異例。
同会議では、当局は「穏健な金融政策を堅持」「資産バブルの抑制を重視」「経済・金融リスクを防ぐ」と、各地で再び現れた不動産バブルとその影響による経済への打撃に強い警戒感をあわらし、厳しい抑制措置の実施を示唆している。
穏増長から抑制重視へ転換
同会議は金融政策について、「穏健な金融政策を堅持し、流動性を合理かつ充分に保つと同時に、資産バブルの抑制を重視し、経済・金融リスクを防ぐ」とした。従来の「実体経済の発展を支える」「穏増長(比較的高い安定的な経済成長の維持)」との内容は言及されなかった。
国内メディア「財新網」(31日付)によると、経済学者の鄭海清氏は「中央政治局は初めて、金融政策に「資産バブル抑制」の文脈を取り入れた」「今後、中国当局の金融政策の重点は、「穏増長」から資産バブル抑制に変わるだろう」と分析した。
英紙「フィナンシャルタイムズ」は、中国共産党政権にとって不動産バブルの崩壊は経済危機に陥ることに等しいと評論したことがある。また、政府系シンクタンクの国務院発展研究センターマクロ経済部の魏加寧氏は10月中旬に、不動産バブルが大きくなりすぎているために、いったん価格が急落すれば(国内経済に)深刻な問題をもたらすと警告した。
(翻訳編集・張哲)