米ヘッジファンド運用会社のブリッジウォーター・アソシエーツ(以下、ブリッジウォータ)創業者のレイ・ダリオ氏は15日自身のリンクトインページにおいて、トランプ次期政権の経済政策で米国経済が好転するが、しかし米国債券相場について下落傾向だと示した。
ダリオ氏は、トランプ次期政権は大型減税案と5000億ドル(約55兆円)規模のインフラ支出による財政刺激政策から見ると、「あらゆる意味でレーガン政権の右旋回に似ている」と示した。
また、トランプ次期政権の下の米経済の特徴は、グローバル化や自由貿易が後退し、積極的な財政刺激策、経済成長ペースが速くなることでインフレ率や金利や米債券利回りの上昇を挙げた。
ダリオ氏はトランプ政権では、経済発展が当面「おおむねポジティブ」として、「新政権の要職候補らは、経済マシンをどのように動かすかを十分理解し、政策の変化に伴う影響を合理に計算できる人」「経済を苦境に陥れるような愚かなことをおそらくしないだろう」との見解を示した。
一方、米債券金利と利回りの上昇に伴い、債券相場が下落するとダリオ氏が指摘した。「債券相場は過去30年間のピークを過ぎた可能性が高い」と今後相場の下落を予測した。
世界最大級のヘッジファンドと言われるブリッジウォーターは1500億ドル(約16兆5000億円)の資産を運営している。米大統領選挙前は、ドランプ氏が当選すれば、米主要株価指数ダウ平均は約10%下落するとの見通しを示した。
1981年に大統領を就任したロナルド・レーガン氏が行った減税、規制緩和、軍事費の拡大による政府支出の拡大、インフレ率の低下など一連の経済政策を「レーガノミクス」と呼ばれる。
ダリオ氏の予測通りに、トランプ氏の経済政策で米経済の成長が加速すれば、今後一段のドル高円安、また日本株式相場の上昇が予想できる。トランプ氏の経済政策、いわゆる「トランプノミクス」で米国経済と世界経済がどう変わるのかに今後も注目していかなければならない。
(翻訳編集・張哲)
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