長期金利 15年ぶり高水準に 日銀の追加利上げ観測で上昇

2025/02/20 更新: 2025/02/23

2025年2月20日、日本の債券市場で長期金利の指標となる10年もの国債利回りが一時1.440%まで上昇し、2009年11月以来約15年3か月ぶりの高水準となった。この動きは、日本銀行(日銀)が早期に追加利上げを行うのではないかという市場の観測を反映したものだ。

長期金利は国債の価格と反対に動く性質がある。国債が売られて価格が下がると金利は上昇する。この金利の動きは、住宅ローンの固定金利や定期預金の利息など、私たちの生活に直接影響を与える重要な指標となっている。

市場関係者によると、最近発表された経済指標から、今後のインフレ率が予想よりも高くなるのではないかという見方が投資家の間で広がっているという。これが日銀の早期追加利上げ観測につながり、長期金利の上昇を後押ししている。

日銀は2024年7月に政策金利を0.25%程度に引き上げる追加利上げを決定しており、その後の経済動向を注視しながら金融政策の運営を行っている。今回の長期金利上昇は、市場が日銀のさらなる金融引き締めを予想していることを示唆している。

ただし、日銀は賃金の上昇と物価の上昇が継続する好循環ができてからの政策転換を強調しており、実際の追加利上げのタイミングについては慎重な判断が必要とされる。

長期金利の上昇は、企業の資金調達コストや住宅ローン金利の上昇につながる可能性がある一方で、預金者にとっては利息収入の増加が期待できる。しかし、急激な金利上昇は経済全体に悪影響を及ぼす可能性もあるため、今後の日銀の動向と金融市場の反応が注目される。

大紀元エポックタイムズジャパン記者。主に軍事・防衛、安全保障関係を担当。その他、政治・経済・社会など幅広く執筆。
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