米特別検察官「トランプ前政権時、ホワイトハウスなどがサイバー監視下に」

2022/02/18 更新: 2022/02/18

2016年米大統領選へのロシア介入疑惑を捜査する米司法省のジョン・ダーラム特別検察官は11日、トランプ前大統領の選挙期間中から、民主党と結託したハイテク企業の技術責任者がホワイトハウスやトランプ・タワーなどのインターネットに侵入し監視していたことを、裁判所に提出した文書で明らかにした。監視は大統領就任後も続いていた。

トランプ氏への秘密監視は、トランプ氏とロシア政府を結びつける「推論」と「物語」を作り出すためだという。

ダーラム検察官は昨年9月、2016米大統領選の民主党候補ヒラリー・クリントン氏の選挙対策本部のマイケル・サスマン弁護士を虚偽証言罪で起訴した。サスマン容疑者は民主党全国委員会が雇っていた大手法律事務所パーキンス・コールのサイバーセキュリティ担当弁護士だった。

文書によると、サスマン容疑者は当時、「いかなる顧客からも仕事を依頼されていない」と主張していたが、調査の結果、米インターネット企業の技術責任者やヒラリー陣営など少なくとも2人の顧客のために働き、ヒラリー陣営に何度も金銭的報酬を求めていたことが判明した。

その証拠から、この技術責任者(文書中では「技術責任者1(Tech Executive-1)」と表記)は、ロシア疑惑をめぐってヒラリー陣営と金銭的なつながりがあったことと、民主党の代理人として多数の選挙訴訟を起こしてきたマーク・エリアス弁護士とも連絡を取り合っていたことが明らかになっている。

「技術責任者1」は大学の研究者からも協力を得て、トランプ氏とロシアを結びつけるためインターネットデータをマイニングしていた。

この文書には、「技術責任者1」が勤務していたハイテク企業が「トランプ大統領執務室の専用サーバーにアクセスし、コントロールできるようになった」「トランプ大統領オフィスのサーバーからトラフィックなどのデータをマイニングし、トランプ氏に不利な情報を収集していた」と記載されている。

21年9月30日付の米ニューヨーク・ポスト(電子版)によると、サイバーセキュリティ弁護士マイケル・サスマン容疑者の刑事事件で言及された技術責任者のロドニー・ジョフ(Rodney Joffe)氏はマルウェア検出の専門家であり、世界初の商用インターネットホスティング会社を設立し、10の特許を持つ業界のパイオニアであることが判明したという。

サスマン容疑者の弁護団は14日に声明を出し、この文書には「起訴された容疑や犯罪とは全く関係のない偏見や虚偽の主張が含まれており、明らかに事件を政治化し、メディアの報道を煽り、陪審員を汚すことを目的としている」と批判した。

「ウォーターゲート事件以上のスキャンダル」

これに対し、トランプ氏は12日に声明を発表し、民主党が自分とロシア政府を結びつけようとし、彼の選挙運動や事務所を密かに監視していた「動かぬ証拠」であると述べた。

「これは、ウォーターゲート事件をはるかに超えるスキャンダルである。このスパイ作戦に関与し、それを知っていた者は、刑事訴追を受けるべきだ」とトランプ氏は指摘する。

大紀元の動画配信プラットフォーム「EpochTV.com」のコラム「Kash’s Corner」でキャスターを務める元米国政府高官のカシュ・パテル氏は番組で、この文書によってトランプ氏に対する「最も複雑で連携が取れた陰謀」が明らかになったと述べた。

(翻訳編集・王君宜)