アメリカのトランプ大統領は、ウクライナ情勢の進展次第でロシアへの大規模制裁を科す可能性を示唆した。
トランプ大統領は8月22日、ホワイトハウスの記者会見で、ロシアのプーチン大統領が今後2週間の間にウクライナのゼレンスキー大統領との会談に応じるかどうかを見極め、進展がなければ「大規模制裁」を科す可能性を強調した。トランプ大統領は「私は現在のいかなる和平の努力にも満足していない。これから2週間でどちらの道に進むか選ぶつもりだ。彼らは自然に私の決断を知ることになるだろう」と語り、事態打開への意思を示した。
記者が「何も行動しない選択肢もあるのか」と問うと、トランプ大統領は「まず、誰が責任を負うべきかを見極める。理由があれば理解する。私は自分が何をしているかをよく理解している」と答え、最終的な判断を自らの裁量で下す考えを明確にした。
トランプ大統領は8月15日にアラスカ州でプーチン大統領と会談し、18日にはホワイトハウスでゼレンスキー大統領や欧州諸国首脳と協議を行った。会談後、トランプ大統領は「ロシアとウクライナ両首脳が速やかに直接会談することが望ましい」と述べ、自身も三者会談への参加を排除しない姿勢を示した。
一方でロシア側は会談実施に積極性を見せていない。プーチン大統領は核研究施設での記者会見で「米露関係に改善の兆しがある」と語り、トランプ大統領の指導力を「隧道の先に光が見えてきた」と評価した。アラスカでの会談についても「有意義かつ率直な協議だった」と強調した。これに対し、ロシア外相ラブロフ氏は「現時点でウクライナとの会談は予定していない」と発言し、ゼレンスキー大統領も「クレムリンは会談を徹底的に妨害している」と批判した。
国際社会ではロシアの孤立が続く中、米露首脳会談の実現が両国関係修復の糸口となるか注目が集まる。プーチン大統領は「次の一手はアメリカ次第だ。トランプ大統領のリーダーシップが両国関係正常化の保証である」と述べた。
さらにトランプ大統領は記者団に対し、プーチン大統領から送られた会談時の写真を公開し「写真にサインして返送するつもりだ」と笑顔を見せた。また、プーチン大統領が2026年ワールドカップ抽選式のためにアメリカを訪れる可能性にも言及し「彼が来訪するかどうかは今後数週間の推移次第だ」と述べ、「プーチン氏は私とアメリカには敬意を示しているが、相手によって態度を変えている」と付け加えた。
最後に、トランプ大統領は2026年国際サッカー連盟(FIFA)ワールドカップ抽選会を12月5日にワシントンDCのケネディセンターで開催すると発表した。
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