トランプ大統領はウクライナの先制攻撃を容認する発言を行い、プーチン大統領に圧力を強化。米露首脳会談や支援方針の変化が、今後のウクライナ戦争と国際社会に大きな影響を与えそうだ。
8月21日、トランプ大統領は自身のソーシャルメディアで、ウクライナがロシアに対してさらなる攻撃を行うことを事実上容認する発言をしたとみられる。ホワイトハウスはロシアのプーチン大統領に圧力を加え、ゼレンスキー大統領との一対一の会談に応じるよう働きかけている。
「侵略を受けた国が侵略国を攻撃しなければ、戦争に勝つのは非常に難しい、いやほとんど不可能だろう」とトランプは21日にTruth Socialに投稿した。「これは素晴らしいディフェンスを持つ偉大なスポーツチームが、オフェンスを禁じられるようなものだ。そんな状況で勝てるはずがない。ウクライナとロシアの関係はまさにそれだ」
トランプ大統領はバイデン前大統領を批判し、「バイデンはウクライナに反撃を許さず、防衛だけを強いた」と述べ、その結果が現在の状況を招いたと主張した。バイデン政権は戦争の拡大を防ぐため、ウクライナがロシアに攻撃する際のアメリカ製兵器の使用を制限してきた。
「いずれにせよ、もし私が大統領だったなら、この戦争は決して起こらなかった――勝ち目のない戦争など。未来は希望に満ちている!」とトランプ大統領は付け加えた。
さらに続く投稿で、トランプ大統領は2枚の写真を掲載した。1枚は彼がプーチン氏の胸元を指さす場面であり、もう1枚は1959年、当時の副大統領リチャード・ニクソン氏がソ連首相ニキータ・フルシチョフ氏に同じような仕草を示した歴史的な場面の写真である。
前日、トランプ大統領はアラスカでプーチン氏と歴史的な首脳会談を行った。これはロシア・ウクライナ戦争が始まって3年以上で初めての米露首脳会談であった。その後、プーチン氏は前線での戦闘停止と引き換えに、領土割譲を含む厳しい条件を提示した。
トランプ大統領は18日にホワイトハウスでゼレンスキー大統領および欧州諸国の指導者たちと会談した。その後、彼は部下に指示を出し、ウクライナとロシア双方と協力して両国の首脳会談を設定するよう命じた。そして続いて、アメリカ、ロシア、ウクライナの三者による首脳会談を開催し、自身も出席する予定であると述べた。
しかし、ロシアはいまだに何の確約も示さず、首脳会談の日程や場所も決まっていない。
また、トランプ大統領はウクライナが領土交換を含む協定に応じられるよう、アメリカとヨーロッパの当局者に包括的な安全保障の枠組みを策定するよう求めた。
一方で、トランプ大統領の支持基盤である共和党内の「アメリカを再び偉大に」(MAGA)派は、アメリカがこれ以上ウクライナ紛争に関与すべきではなく、支援も停止すべきだと考えている。トランプ政権はすでにウクライナへの直接的な支援をほぼ打ち切り、代わりにヨーロッパに武器を販売し、その武器がウクライナへ送られる形に切り替えている。
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