高市首相 米次世代ミサイル防衛「ゴールデン・ドーム」参加表明へ 日米連携でHGVの脅威に対抗

2026/03/13 更新: 2026/03/13

日本の高市早苗首相は、2026年3月19日に米ワシントンのホワイトハウスで予定されているトランプ大統領との日米首脳会談において、米国が推進する次世代型ミサイル防衛構想「ゴールデン・ドーム」への参加を表明する見通しであると、13日、読売新聞などが報じた。昨年10月の首相就任後初となる今回の訪米で同構想への参加を伝え、日米の連携をさらに深める方針だ。

「ゴールデン・ドーム」構想とは何か

「ゴールデン・ドーム」構想とは、トランプ政権が主導する、米国本土および同盟国をあらゆる空中攻撃から守るための次世代多層防御シールドを構築するイニシアティブである。従来の弾道ミサイルにとどまらず、極超音速滑空兵器(HGV)や高度な巡航ミサイルなど、次世代の脅威への対処を明確な目標としている。

具体的には、宇宙空間に配備された無数のセンサー群による探知・追跡網と、宇宙・地上・海上の各種迎撃システムを、高度なソフトウェアで統合するアーキテクチャを想定している。1980年代の戦略防衛構想(SDI)の系譜を継ぎつつ、現代の小型衛星(キューブサット)や再利用ロケット、AI(人工知能)などの最新技術によって実現を目指しており、2029年1月までの運用開始が計画されている。

日本が参加する背景

日本が「ゴールデン・ドーム」構想への参加に踏み切る最大の背景には、日本周辺における安全保障環境の激変がある。特に中国やロシアは、音速の5倍(マッハ5)以上で大気圏内を変則的な軌道で飛翔する極超音速滑空兵器(HGV、Hypersonic Glide Vehicle)の開発と配備を急速に進めている。こうした次世代型のミサイルに対しては、従来のミサイル防衛システムのみでは迎撃が極めて困難となっているのが実情である。

これを受け、日本政府は近年、防衛費の大幅な増額を進めるなど、自国防衛力の抜本的な強化を急いでいる。前任の石破首相時代である2025年5月にも、トランプ大統領との電話協議において同構想の推進について話し合われており、ミサイル防衛のアップデートは急務となっていた。

日本の取り組みと参加によるメリット

日本はすでに、ミサイルの探知・追尾能力を高めるために、多数の小型衛星を一体的に運用する「衛星コンステレーション」を2028年3月末までに構築する計画を進めている。また、米国と共同でHGVを迎撃するための新型ミサイル「滑空段階迎撃用誘導弾(GPI、Glide Phase Interceptor)」の開発にも着手している。

日本が「ゴールデン・ドーム」構想に正式に参加することで、迎撃システムに関する先端技術の研究や装備品開発での日米連携が加速することが見込まれる。さらに、米軍が構築する大規模な衛星ネットワーク(センサー層や通信網)から得られる情報を共有することで、中露のHGVなどに対する日本の探知・追尾および迎撃の対処能力が飛躍的に向上することが期待されている。

大紀元エポックタイムズジャパンの速報記者。主に軍事・防衛、安全保障関係を担当。その他、政治・経済・社会など幅広く執筆。
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