2026年(令和8年)5月22日、日本の茂木敏充外務大臣とラオスのトンサワン・ポムヴィハーン副首相兼外務大臣による外相会談が実施された。本会談における主な成果と合意事項は以下の通りである。
1. 「自由で開かれたインド太平洋(FOIP)」に向けた連携
冒頭、茂木外相はトンサワン副首相兼外相の訪日を歓迎し、両国間の「包括的・戦略的パートナーシップ」を一層強化する意向を示した。そのうえで、進化した「自由で開かれたインド太平洋(FOIP)」の実現に向けて、両国が連携していくことを確認した。
2. ラオスの「自律性」「強靱性」強化とサプライチェーンの構築
茂木外相は、ラオスの自律性と強靱性の強化に向け、安全保障や経済分野を含む幅広い協力の推進を表明した。これに対し、トンサワン副首相兼外相は、日本の継続的な社会経済開発支援に謝意を示すとともに、高市早苗内閣総理大臣が立ち上げた「パワー・アジア」への支持を表明した。また、経済安全保障の観点から、両外相は重要鉱物やエネルギー分野を含むサプライチェーン強靱化のための協力を進めることで一致した。
3. 地域および国際社会の諸課題に関する緊密な連携
両外相は、二国間関係にとどまらず、幅広い地域・国際課題について意見交換を実施した。中東情勢、東シナ海・南シナ海情勢、ミャンマー情勢といった地域課題に加え、核・ミサイル問題および拉致問題を含む北朝鮮への対応においても、両国で緊密に連携していくことを確認した。

今回の会談は両国間の経済・安全保障面での協力関係を一段と深化させるとともに、インド太平洋地域および国際社会の安定に向けた結束を再確認する重要な機会となった。
地政学的な意図
今回の日本・ラオス外相会談で、日本側がラオスの「自律性」や「サプライチェーンの強靱化」を強調した背景には、ラオスが直面している中国共産党への過度な経済的・構造的依存(いわゆる『債務の罠』の危機)からの救済と、東南アジアにおける中国の巨大経済圏構想「一帯一路」への歯止めという明確な地政学的意図が見える。
今回の外相会談で、日本が高市総理の提唱する「パワー・アジア(アジア諸国のエネルギー・インフラ自立支援構想)」への支持を取り付け、重要鉱物のサプライチェーン構築に合意したことは、単なる二国間援助にとどまらない。ラオスに「中国共産党以外の選択肢」を提供し、中国共産党による経済的威圧を防御しながら、地域の均衡を保つための極めて重要な戦略的一歩といえる。
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