世界の弁護士30人 中国の人権弁護士への迫害を非難

 世界複数の国からの弁護士と裁判官30人あまりが、中国共産党政権の人権侵害を非難する文章を発表し、不当に拘束されている弁護士を直ちに解放するよう強く求めた。

 1月23日、米国、英国、フランス、ドイツ、オーストラリア、イタリア、スイス、スペイン、ベルギーなどの弁護士と裁判官30人が英紙「ガーディアン」で公開状を発表し、中国人弁護士の置かれている状況に深い憂慮を抱いていると表明した。

 公開状には弁護士でフランスの元司法大臣ロベール・バダンテール上院議員、国際法曹協会主席のローレンス・ボリー氏、国際人権団体、ヒューマン・ライツ・ウォッチのスポークスマン、リード・ブラディ氏、英国の人権派弁護士、クライブ・エイドリアン・スタフォード・スミス氏、パキスタン最高裁付弁護士会主席のアッサム・ジャハンギール氏ら、各国の法曹界の名だたる人物が相次いで署名した。

 中国公安部は2015年7月9日、国内の人権派弁護士を一斉摘発した。その際に多くの弁護士が不当に拘束され、その安否が危ぶまれている。

 公開状には、それから今に至るまで弁護士、弁護士事務所職員やその家族ら数百名が中国当局からの恫喝や執拗な尋問、不当な拘留、違法な罪状確定に晒されていることや、中国では当局が対象者を不当に拉致し収監することがあるため、人権派弁護士らがある日突然姿を消すことも珍しくはないことなどが記されている。

 中国は『国連の拷問等禁止条約』を批准している。公開状の発起人は中国当局に対し、国際法を遵守し、人権を尊重しなければならないと呼び掛け、不当に収監した人権派弁護士や人権活動家を直ちに解放するよう強く求めている。

 7月9日に全国規模で行われた中国公安部による弁護士一斉摘発はいまだに続いており、昨年12月16日までに中国国内23省で、少なくとも319人の中国人弁護士、弁護士事務所職員、人権擁護者やその家族らが不当な事情聴衆、出頭、出国制限、軟禁、自宅の監視、逮捕といった人権侵害を受けている。

(翻訳編集・島津彰浩)

関連記事
「孔子学院?新華社?こんなものはもう退屈だろう。中国が本当に世界的なソフトパワー拡大には、モバイルゲームに焦点を当てるべきだ」中国国内メディアは最近、100億米ドル規模に達している中国ゲームの影響力の高まりに自信を見せている。当局は、ゲームコンテンツを通じて中国文化の浸透工作や、親共産主義人物の人気獲得を促進したりしている。
日本料理の「五味五色」が生む健康の秘密。陰陽五行に基づく養生観が、日本人の長寿とバランスの取れた食文化を支えています。
2023年5月25日に掲載した記事を再掲載 若者を中心に検挙者数が急増する「大麻」(マリファナ)。近日、カナダ […]
中国共産党が7月に反スパイ法を改正し、邦人の拘束が相次ぐなか、外務省が発表する渡航危険レベルは「ゼロ」のままだ。外交関係者は邦人の安全をどのように見ているのか。長年中国に携わってきたベテランの元外交官から話を伺った。
日中戦争の勝利は中華民国の歴史的功績であるが、これは連合国の支援を受けた辛勝であった。中華民国は単独で日本に勝利したのではなく、第二次世界大戦における連合国の一員として戦ったのである。このため、ソ連は中国で大きな利益を得、中共を支援して成長させた。これが1949年の中共建国の基礎となった。