2月15日、北京で開かれた、雪山と技術の国際貿易の展示館で、スキーの展示の前に立つ男性(FRED DUFOUR/AFP/Getty Images)

「L字型」中国経済トレンド、「依然として下向き」=政府系シンクタンク幹部

中国の政府系シンクタンク、国務院発展研究センターの幹部はこのほど、中国経済は現在、依然として下向きだと発言した。国内メディア「中国経済網」が19日に報じた。

報道によると、同センターの李偉主任は18日、北京で開催された経済フォーラムで、中国国内経済は依然として「L字」の縦棒の下向きで、まだ底を打っていないと発言した。

李主任は国内経済は「L字の縦棒から横棒に変わる希望はある」と話したが、いつ横棒になるのかとの具体的な説明はなかった。

「L字」は縦棒と横棒の組み合わせで、縦棒は経済の下降状況を、横棒は経済が下向きになって底を打っても、当面、回復の見込みがなく上向かない状況を表している。

昨年末、中国経済界の経済現状について、「L字の縦棒」と「L字の横棒」の2つの見方に分かれた。今回、李主任の発言は、経済がまだ下向いているという中国当局の認識を明らかにした。

官製メディアが載せた匿名の経済分析「難局は変わらない」

昨年5月9日、中国共産党機関紙「人民日報」が1面トップと2面に、匿名で経済分析を示す「権威人士」という人物のインタビューを掲載した。

同氏によると、「中国経済はU字型回復はありえない、もっと不可能なのはV字型回復だ。そもそもL字型の道をたどる」と指摘。さらに「L字型(トレンド)は一つの段階であり、1、2年で終わらない。今後、数年は需要低迷と生産能力過剰が併存する難局は根本的に変えられない」との見方を示した。

この「権威人士」について、国内外専門家の多くは習近平国家主席のブレーンの劉鶴氏だと推測した。なかには習近平氏本人との声もあったが、専門家は、官製メディアに掲載された匿名人物の意見は「習近平指導部の認識」と見ている。

世界第2経済体中国の経済減速が続ければ、モノ、サービス、資源への需要が低迷し、中国貿易相手の先進国や新興国など世界経済に大きな影響を与える。世界経済が低迷すると、日本も連鎖的に影響を受ける。ドル安・円高株安、企業収益の減少、景気低迷で失業率上昇などが予想される。中国は、米国に次ぐ、日本の第2大輸出相手国だ。

(翻訳編集・張哲)

関連記事
中国の資本市場から11月に457億ドルの資金が流出し、過去最大を記録。トランプ氏の関税政策への懸念と中国経済の不安定さが主因。中国政府の景気刺激策は市場の期待に応えられず、人民元も下落。習近平は窮地に陥っている
日産とホンダの経営統合に向けた動きが急速に進展している。日産、ホンダはまだ中国市場での挽回を期するのか? それとも大局を読み切り、大きな決断をするのか? 今後の動向が注目される。 
イエレン財務長官は、ロシアの石油収入遮断と「黒い艦隊」制裁を検討。さらに、中国の銀行や企業への制裁も可能性を排除せず、既に影響を受けた中国企業が資産売却を進めている。制裁強化が進む中、国際経済に緊張が高まる。
中国太陽光発電業界は供給過剰と価格暴落により深刻な赤字状態に陥っている。淘汰が進む中、生産能力の整理が急務だ。
中国の高速鉄道整備計画は、移動時間を短縮し、経済効率を高める利点がある一方で、財政負担や地方政府の債務増加といった課題も浮き彫りに。柔軟な資源配分が求められているが、中共の中央集権的な経済運営がこれらの問題を深刻化させている。