曽蔭権・前香港行政長官に実刑判決 その軽視できない意味とは

香港高等法院(高裁)は22日、「公務員不法行為」の容疑で起訴された前香港行政長官曽蔭権被告に対し、禁錮20カ月の実刑判決を言い渡した。長官経験者が実刑判決を受けるのは初めて。余罪の「利益譲受罪」について、高裁は今年9月から再度審議を進めると決めた。

家族と護衛に囲まれ、裁判所へと向かう曽蔭権・前香港行政長官(李逸/大紀元)

刑の言い渡しを受けた際、曽蔭権被告は表情の平静を保っていた。前日の陪審団による裁決を聞いた時のように、手を震わせ錠剤を飲むことはなかった。

香港特別区長官が実刑判決を受けたことに対し、中国国営メディアは沈黙している。新華社や中国中央電視台(CCTV)は一切報道せず、新浪網などは限定的な事実を短く伝えたのみ。

今回の出来事は、香港の独立した司法制度の優越を示すものであり、共産党の実質的な支配下に置かれている中国本土とは対照をなす。香港で勢力がいまだに強く残るといわれる江沢民派の人物に実刑判決が下ったことは、習近平政権が、汚職摘発と司法の独立を強く推し進めていることがうかがえる。

(文亮)

関連記事
「孔子学院?新華社?こんなものはもう退屈だろう。中国が本当に世界的なソフトパワー拡大には、モバイルゲームに焦点を当てるべきだ」中国国内メディアは最近、100億米ドル規模に達している中国ゲームの影響力の高まりに自信を見せている。当局は、ゲームコンテンツを通じて中国文化の浸透工作や、親共産主義人物の人気獲得を促進したりしている。
日本料理の「五味五色」が生む健康の秘密。陰陽五行に基づく養生観が、日本人の長寿とバランスの取れた食文化を支えています。
2023年5月25日に掲載した記事を再掲載 若者を中心に検挙者数が急増する「大麻」(マリファナ)。近日、カナダ […]
中国共産党が7月に反スパイ法を改正し、邦人の拘束が相次ぐなか、外務省が発表する渡航危険レベルは「ゼロ」のままだ。外交関係者は邦人の安全をどのように見ているのか。長年中国に携わってきたベテランの元外交官から話を伺った。
日中戦争の勝利は中華民国の歴史的功績であるが、これは連合国の支援を受けた辛勝であった。中華民国は単独で日本に勝利したのではなく、第二次世界大戦における連合国の一員として戦ったのである。このため、ソ連は中国で大きな利益を得、中共を支援して成長させた。これが1949年の中共建国の基礎となった。