『バックコーラスの歌姫たち』で2014年アカデミー賞®長編ドキュメンタリー賞を受賞したモーガン・ネヴィル監督が、世界的チェロ奏者ヨーヨー・マに密着したドキュメンタリー映画『ヨーヨー・マと旅するシルクロード』が3月4日(土)に全国公開となる。
世界的チェロ奏者であるヨーヨー・マが、2000年に【音の文化遺産】を世界に発信するために立ち上げた“シルクロード・アンサンブル”。異文化がクロスするシルクロードにゆかりがあり、さまざまな歴史的、文化的、政治的背景を背負ったメンバーたちとともに、ヨーヨー・マは自分自身のアイデンティティを確立していく。
クラシック界の巨匠ヨーヨー・マが追求しているものは何なのか?パリの幼少期からの貴重映像、ニューヨークで親交を深めたジョン・ウィリアムズ、タン・ドゥン、ボビー・マクファーリンなどの証言と、名曲の演奏シーン。ステージでは見ることのできない音楽を創造する過程や、世界中の音楽仲間たちとの熱いセッションの数々。ケマンチェ、中国琵琶(ピパ)、尺八、バグパイプなど伝統的な東西の音楽と現代音楽とが融合し、国境を超えた究極の音楽そして人間のハーモニーが紡がれ、観る者の心を魅了する。
“シルクロード・プロジェクト”構想の基底には1981年、奈良の正倉院に残るシルクロード文物との出会い、そして自分のルーツである中国への思いがあった。東西の音楽交流は、中国からヨーロッパまでの幅広い地域を含んだ、壮大な芸術的への試みとして発展してきている。本作は、ヨーヨー・マが音楽で世界を変えようと努めてきた20年に渡る道のりと、さまざまなアイデンティティを持つ“シルクロード・アンサンブル”のメンバーたちの生き様を通して、音楽が国際的な言語であり、人々をつなぐ架け橋であることを体感できるドキュメンタリー。
(文・伊賀)
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