2016年9月、韓国ソウルで、北朝鮮が5回目の核実験を実行したと報じる韓国メディアを映すスクリーン、満面の笑みを浮かべる金正恩・朝鮮労働党委員長(GettyImages)
謝天奇コラム

核実験のターゲット、実は習近平政権? 北朝鮮を操る勢力とは

北朝鮮が6回目の核実験に踏み切るのではないかと予測され、国際社会に緊張が走っている。だが北朝鮮情勢を分析する時、中国との関係を考慮せずに北朝鮮の単独行動として理解するならば、それは大きな誤りだ。

地政上において、中国は北朝鮮と密接な協力関係を築いてきた。具体的には、中国は北朝鮮を軍事的・経済的に支援する代わりに、中国国内で何か不都合な問題が生じた時に、北朝鮮に「緊迫した情勢」を演出させていた。北朝鮮でミサイル発射実験など緊迫した状況を作り出せば、中国は例えば臓器狩りといった人権問題に対する国際社会からの注目や非難をそらすことができるからだ。

中国は、北朝鮮問題において国際社会で常に「調停者」「パイプ役」としての役割を担ってきたように見えるが、それは表向きのこと。実は北朝鮮問題とは、中国と北朝鮮の双方で立てたシナリオに沿って行われてきた「演出」だったというのが正しい。言い換えれば、北朝鮮の「有事」は、常に中国情勢とリンクしている。

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