2016年9月、韓国ソウルで、北朝鮮が5回目の核実験を実行したと報じる韓国メディアを映すスクリーン、満面の笑みを浮かべる金正恩・朝鮮労働党委員長(GettyImages)
謝天奇コラム

核実験のターゲット、実は習近平政権? 北朝鮮を操る勢力とは

北朝鮮が6回目の核実験に踏み切るのではないかと予測され、国際社会に緊張が走っている。だが北朝鮮情勢を分析する時、中国との関係を考慮せずに北朝鮮の単独行動として理解するならば、それは大きな誤りだ。

地政上において、中国は北朝鮮と密接な協力関係を築いてきた。具体的には、中国は北朝鮮を軍事的・経済的に支援する代わりに、中国国内で何か不都合な問題が生じた時に、北朝鮮に「緊迫した情勢」を演出させていた。北朝鮮でミサイル発射実験など緊迫した状況を作り出せば、中国は例えば臓器狩りといった人権問題に対する国際社会からの注目や非難をそらすことができるからだ。

中国は、北朝鮮問題において国際社会で常に「調停者」「パイプ役」としての役割を担ってきたように見えるが、それは表向きのこと。実は北朝鮮問題とは、中国と北朝鮮の双方で立てたシナリオに沿って行われてきた「演出」だったというのが正しい。言い換えれば、北朝鮮の「有事」は、常に中国情勢とリンクしている。

▶ 続きを読む
関連記事
AIの利用が広がる中、子どもの学びで問われているのは不正行為だけではない。便利な道具に頼る前に、思考力や忍耐力、試行錯誤する力をどう育てるかを考える
中国は少子化と高齢化が急速に進行し、労働力や経済成長に深刻な影響が広がっている。長年の政策と経済構造が出生率低下を招き、政府の対策も効果を上げていない
ドイツは中国の通貨政策や国家補助金、安全保障行動を問題視し、G7など民主主義国による協調対応を提唱。経済と安保の両面で対中姿勢を転換している
ロシアは大規模攻撃を続けるが、死傷者の増大や国内不満で先行きは不透明。ウクライナは欧州支援と技術優位で持ち直し、戦局は一方的劣勢ではなくなりつつある
2026年上半期、中共軍の台湾海峡・西太平洋での活動は大幅減。背景には指揮系統の混乱、装備・維持管理の課題、日米の抑止強化があり、対外行動は全体に抑制的となっている