日本の管理職の9割近くがAIに期待感を持っていることが、最新の調査で明らかになった。写真は、日本のアルソックによる案内とセキュリティ機能をそなえたロボット「Reborg-X」を操作する女性。2015年3月東京で開かれた警備保障の見本市会場で(GettyImages)

AI(人工知能)時代にビジネスで求められる能力とは?=上場企業の管理層アンケート

日本経済をけん引する上場企業の管理職を対象にした、AI(人工知能)時代に求められるスキルに関する調査によると、管理層の多くは、AIには労働時間の短縮や業務の効率化に期待し、部下には「対人関係力」と「創造力」といったソフトスキルを求めていることがわかった。

管理職の88.7%がAIに期待

人財サービスを展開するアデコは17日、首都圏の上場企業に勤務する40代から50代の管理職(部長職・課長職)の男女309人を対象に行った「AI(人工知能)時代に求められるスキル・能力」についてのアンケート結果を発表した。

それによると、AIの普及は「労働時間の短縮」(58.9%)や「業務の効率化・生産性の向上」(56.3%)につながるとし、政府が企業に奨励している「働き方改革」の担ぎ手として、AIに期待感を示すとの結果が出た。

社会に人工知能(AI)が浸透するなかで、「失業者が増加する」「仕事が奪われる」といったような悲観論が報じられている。しかし、今回のアンケートでは、管理層のなかで「AIにより失業率が上がる」と回答した人は12.3%にとどまり、88.7%がAIの能力に期待していると回答した。

AIに任せたい業務は、データ処理やデータ分析。仮にAIが上司や部下になったとしても、半数以上が好意的だった。

部下にはソフトスキルを求める

今回の調査では、管理層は部下に対して、現在も将来迎えるAI時代にも「対人関係力」「創造力」というソフトスキルを求めていることが明らかになった。

ビジネス上で求められるスキルについて、今回の調査では「対人関係力」が圧倒的な差で1位にランクインした。仕事上生じる部署間の細部にわたる調整など、日本独自の企業文化や仕事の進め方が反映された結果とみてとれる。

将来の人材育成に 小学生に今から取り組みを勧めるなら?

  AI時代にビジネスパーソンとして活躍するために、現在の小学生が、今から取り組んでおいたほうが良いことについては、1位に「語学(英語・中国語など)」(51.1%)、2位は「国語/読解力」(43.4%)、3位には2020年から小学校で必修となる「プログラミング」(42.7%)が挙がった。

 この結果について、ハイテクがもたらす産業への影響に詳しい東京大学大学院経済学研究科・経済学部の柳川範之教授は「外国語については、AIによる機械翻訳の精度がかなり高まるだろう。しかし、外国人や異文化の人と適切なコミュニケーションをとるには字面だけの翻訳だけでは不十分」「求められる語学力とは、異文化とのコミュニケーション力という意味合いが多分に含まれていると考えられる。今後は、そのための能力開発がより重要になるのでは」とコメントした。 

アデコは調査のまとめとして、「今後、日本においてはテクノロジーとグローバル化の進展が相まって、これまでの産業やビジネスモデルが大きく変容し、これまでとは異なるスキルを持つ必要が高まってくる」「対人関係力のほか、複雑な課題に対する解決力、創造力、変化に対する柔軟性といったソフトスキルの必要性が増すことが予想される」と分析した。

(編集・岳進)

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