日本の護衛艦を引き連れフィリピン沖を巡航する米国空母カールビンソン、米国空母打撃群の戦闘力は中国のそれとは比べ物にならない( Mass Communication Specialist 2nd Class Sean M. Castellano/U.S. Navy via Getty Images)
中国軍事分析

中国海軍VS米国海軍 簡単には埋まらない実力差 

中国海軍と米国海軍の実力には、結局のところ、どれほどの違いがあるのだろうか。香港の英字新聞、サウスチャイナ・モーニング・ポストは、中国の軍事専門家、李傑氏による両国海軍の実力についての分析を報じている。

李氏によると、米国海軍は現在、就役中の空母10隻を有しているほか、100年余りの経験とノウハウを有する海軍組織を有しており、それと比べると、中国海軍の乗組員は「幼稚園児」レベルでしかないと指摘している。

同氏の話では、米国海軍は高完成度の艦載機航空作戦システムを構築しており、全天候型で艦載機の高密度離発着や、空母打撃群内の各艦艇との連携もカバーしている。中国海軍は国産空母「遼寧」に空母としての力を発揮させるために、米国の空母乗員管理運行システムをかなり模倣しているが、艦載機パイロット、着艦指揮官やその他の航空クルーを一人前に育てる難しさは、陸上で戦闘機パイロットや地上スタッフを育成するのとは比べ物にならない。空母甲板の滑走路は、陸上の滑走路のわずか1/10の長さしかないからだ。

さらに、国際基準に照らすと正規な空母には4500から5000人の乗組員が必要とされるが、中国海軍の空母に配置されている人数はそのレベルには程遠いとも述べている。

李氏は、空母本体は迅速に建造できても、乗組員の育成には彼らに経験を積ませるしかないため、時間をかけて経験を蓄積してゆくしかないと語っている。

(翻訳編集・島津彰浩)

関連記事
2023年5月25日に掲載した記事を再掲載 若者を中心に検挙者数が急増する「大麻」(マリファナ)。近日、カナダ […]
中国共産党が7月に反スパイ法を改正し、邦人の拘束が相次ぐなか、外務省が発表する渡航危険レベルは「ゼロ」のままだ。外交関係者は邦人の安全をどのように見ているのか。長年中国に携わってきたベテランの元外交官から話を伺った。
日中戦争の勝利は中華民国の歴史的功績であるが、これは連合国の支援を受けた辛勝であった。中華民国は単独で日本に勝利したのではなく、第二次世界大戦における連合国の一員として戦ったのである。このため、ソ連は中国で大きな利益を得、中共を支援して成長させた。これが1949年の中共建国の基礎となった。
香港では「国家安全法」を導入したことで、国際金融センターとしての地位は急速に他の都市に取って代わられつつある。一方、1980年代に「アジアの金融センター」の名声を得た日本は、現在の状況を「アジアの金融センター」の地位を取り戻す好機と捉えている。
米空母、台湾防衛態勢に 1月29日、沖縄周辺海域で日米共同訓練が挙行された。日本からはヘリコプター空母いせが参 […]