WHOが警告
ジカウイルス感染3例 妊娠中の女性はインド渡航を控えて
インド保健家族福祉省は、5月15日、同国グジャラート州アーメダバード市で、3例のジカウイルス感染症例が報告されたと発表した。これを受け、世界保健機関(WHO)は、妊娠中の女性に対して同国への渡航を控えるよう呼びかけている。
ジカウイルス感染症は、妊娠中の方が感染すると胎児に小頭症等の先天性障害を引き起こす可能性がある。
感染経路は、ジカウイルスを持った蚊に刺されること。また感染した人を刺した蚊が、他の人を刺すと感染する可能性がある。また、母胎から胎児への感染(母子感染)、輸血や性交渉による感染リスクも指摘されている。
WHOの警戒情報をうけて、外務省は、特に妊娠中または妊娠予定の人へ、可能な限りジカウィルス発生地域への渡航を避けるよう呼び掛けている。
いまのところ、ジカウイルス感染症には有効なワクチンはなく、蚊に刺されないようにすることが最善の予防方法となる。屋外では長袖・長ズボンを着用する、忌避剤を適宜に使用する、蚊の増殖をふせぐために水溜まりを屋外で作らないことなど。
ジカウイルスに感染してから発症するまでの期間(潜伏期間)は2~12日であり、主に2~7日で、およそ2割の人に発症すると言われている。発症すると軽度の発熱、頭痛、関節痛、筋肉痛、斑丘疹、疲労感、倦怠感などがあるが、一般的にデング熱やチクングニア熱より軽症と言われている。
政府は、発生地域に渡航して発熱の症状など感染の疑いがある場合、帰国便の空港の検疫所に相談するよう通知している。
(編集・甲斐 天海)
関連記事
WHO加盟国がパンデミック条約案で大筋合意。来月の総会で採択目指すが、各国間に賛否やあがり課題も残っている。
ウクライナのゼレンスキー大統領は8日、ウクライナ軍がロシア軍を支援して戦闘に参加していた中国人2人を捕虜にした […]
専門家らは、米中関係は重要な一線を越え、世界第1位と第2位の経済大国間の対決が始まったと指摘している。
ミャンマーが壊滅的な地震に見舞われている中、中国共産党は静かに影響力を強めている。軍事政権に武器を供給し、人道支援を妨害し、危機を利用して習近平の「一帯一路構想」世界拡大戦略を推し進めている。
米国防長官がパナマ運河の戦略的重要性を強調し、中国共産党(中共)の影響排除を表明。米中の地政学的対立が中南米にも波及。運河を巡る緊張が高まる。