6月14日、ロンドン西部の高層マンションで火災(Leon Neal/Getty Images)

ロンドンで深刻な高層マンション火災 少なくとも6人死亡、20人が重体

英ロンドン中心部にある24階建て高層マンションで14日、建物全体を覆う激しい火災が発生した。消防当局によると、少なくとも6人が死亡し、20人が重体だという。犠牲者は把握が難しいとされ、今後も死傷者は増えると予想されている。

消防によると、火災は現地時間14日0時ごろに発生。ロンドン警察のスチュアート・カンディ署長は会見で「救助作業や犠牲者の特定に時間がかかる」とした。出火の原因は明らかになっていない。

消防当局は消防車40台、消防士200人以上を出動し、消火活動にあたった。BBCによると、このビル火災により70人以上が病院で治療を受けており、20人ほどが重体だという。

テリーザ・メイ首相は、「悲惨な事故による喪失に深い悲しみを示す」と、ダウニング・ストリート紙に語った。

火災事故に見舞われた、ノースケンジントンの高層マンション「グレンフェルタワー」は1974年に建設された公共住宅用ビル。2016年に改装された。24階建て、120部屋を構える。

6月14日、ロンドン西部の高層マンションで火災(Leon Neal/Getty Images)    

懸念される安全基準

管理会社CEOロバート・ブラック氏は、BBCに対して「火災は壊滅的で、悲惨な犠牲者数が想定される」「早時期に住民を支援し、緊急サービスと地域社会の復帰に協力したい」と表明した。

ガーディアンの取材に答えた火災事故専門家によると、「高層マンション火災で、出火した階層から建物全体に燃え広がる例は極めてまれ。避難の際、一般的には、出火した階に住んでいなければ、その階に留まるよう指示している」という。

しかし、2度の改装が行われた「グレンフェルタワー」では、火の回りを早めるような、構造内に穴が多数あったのではないかと推測する。「床や壁、冷暖房システム、外壁などはたびたび改修されてきた。このようなビルの場合、避難行動のアドバイスを変える必要性がある」とした。

(翻訳編集・佐渡道世)

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