ネットを通じた子供の性犯罪に注意 多くはスマホ経由 被害の9割が中高生
昨今、中高生におけるスマートフォンの保有率や、ツイッターをはじめとしたSNSの利用が高まってきていることにより、ネットを通じた性被害が急増している。
警察庁によると、日頃から使っているソーシャルサイト(SNS)を通じて、児童買春や児童ポルノなどの犯罪被害に遭った子供は、昨年1736人、また、だまされたり脅されたりして、自分の裸を送らされる、いわゆる「自画撮り被害」に遭った子供は同480人と、いずれも過去最多となった。
こうした犯罪の被害の多くがスマートフォンによるもので、被害者の約9割が中高生だという。
まもなく子供たちは夏休みを迎える。学校生活から離れ、開放的になるため、危険なものに触れることもあるかもしれない。有意義で楽しい時間を過ごすために犯罪に巻き込まれないよう、細心の注意を払う必要がある。
警察庁と文部科学省はこのたび、7月の「青少年の非行・被害防止全国強調月間」に合わせ、「夏休みを迎える君たちへ~ネットには危険もいっぱい~」と題するリーフレットで、子供が被害を受けたネット利用の危険な犯罪事例を伝え、保護者らに強い警戒をうながした。
紹介された事例は、SNSで自称「19歳のイケメン大学生モデル」とする46歳の男が、女子中学生らに、自分で撮影した裸の画像を自ら送信させるという手口。被害を受けた子供は全国で約130人に上ったという。
男子も決して性犯罪者の狙いの例外ではない。ある男子中学生は、SNS上で「女子中学生」と偽る20歳の男に、裸の写真を交換し、後に「警察や学校にばらす」などと脅迫され呼び出され、わいせつな行為をされた。
売春を強制するといった凶悪な例もある。女子高校生は、SNSを利用するなどして知り合った被疑者らに家出中に接触し、売春に関する契約書を書かされた上、マンションの一室に外から鍵を掛られた状態で居住させられた。その上で、理由のない「罰金」を科されつつ、出会い系サイト等で被疑者らが募った客を相手に売春をさせられ、その代金も搾取された。
一度ネット上に拡散した情報は、完全に削除することは困難。本人と保護者に対して「見知らぬ人に安易に会わない」「どのような相手であっても自分の裸や露出し過ぎた写真を送らない」など、徹底して警戒するよう促している。
(編集・甲斐天海)