共産党大会に出席するピエール・ローレン総書記(JACQUES DEMARTHON/AFP/Getty Images)
共産主義の終焉

フランス共産党、議席減で「改革必要」党名変更を検討

フランス共産党の弱体化が進んでいる。党総書記ピエール・ローレン氏は6月26日、前選挙で投票率2.7%と過去最低となったことから「転換期を迎えている」とし、およそ100年続く党名の変更も検討していると述べた。仏日刊紙ル・パリジャン(Le Parisien)が同日に報じた。

ローレン総書記は「民主的な変革が必要だ。新たに党を立ち上げることも辞さない」とし、2019年までに地方と労働者階級に寄り添うという原点を見つめる「地方に深化した分散型モデル」への変更を語った。また、主流階級には政治運動の介入機会を提供したいと述べた。

フランス共産党は1920年に成立して以来ソ連の援助を受け、かつてフランス最大の野党までのぼりつめた。しかしソ連解体で急激に求心力を失い、衰退傾向にある。

第二次世界大戦後、フランス共産党はかつて同国最大規模の政党に成長、1946年には182人の議員を擁し、旧ソ連から援助を受けていた。1980年代末期から1990年代初期にかけて、東欧諸国の脱共産党化とソ連崩壊の影響を受け、欧州諸国の共産主義政党は大きな打撃を被った。

大紀元特集・共産主義の終焉

イタリア共産党は共産主義的イデオロギーを放棄し、左翼民主党となった。オランダ共産党やフィンランド共産党は自主的に解散した。スウェーデンの左翼党・共産党人、イギリス共産党、サンマリノ共産党などの政党も旗印を変更し、共産主義的イデオロギーを放棄した。スペイン共産党とフランス共産党では内部で深刻な思想的混乱が生じ、共産党を消滅させると主張するものも現れた。

フランス共産党が衰退するとフランス労働組合と共産党機関紙「ユマニテ」は党から分離した。現在フランス共産党員は5万人までに減少、国会では15議席を保有するに留まり、政治的発言権は微々たるものとなっている。

ローレン氏は2013年の党大会で共産主義のシンボルマーク「ハンマーと鎌」が党員証から消えることを宣言し、外部からはフランスから共産主義が事実上消滅したと評された。パリ・コミューンによって暴力と虐殺、歴史文物に対する大規模な破壊が初めて行われた場所だけに、この意義は大きい。

(翻訳・文亮)

(2019年2月13日:当記事には解釈に誤りがあり、題名を含めて訂正いたしました。読者の皆様にお詫び申し上げます 編集部)

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