フランス下院は20日、中国共産党による新疆ウイグル自治区の少数民族に対する反人道罪を非難する決議案を採択した。議案はウイグル人への大量虐殺を公式に議会が認めると記し、政府に対して対中外交措置をとるよう求めた。
賛成169票、反対1票、棄権5票の圧倒的多数で採択された決議には、議会が「ウイグル人に対する中国(共産党)の暴力を人道に対する罪とジェノサイド(大量虐殺)であると公式に認定する」との文言が含まれる。
決議を率いた社会党党首オリビエ・フォール議員は中国民族への友好の意を示したうえで「商業利益に臆して人権侵害を行う政権のプロパガンダに従うわけにはいかない」と議場で力説。さらに、拷問や性的暴行、文化の根絶、強制的な臓器摘出といった迫害を経験したウイグル人の証言を紹介した。
決議に先立ち、欧州ウイグル研究所は社会党と共催で2度にわたる聴聞会を開き、人権専門家や迫害経験者からの情報を共有していた。
今回のフランス下院の非難決議は北京冬季五輪を2週間前に控えるなか採択された。マクロン大統領率いる中道与党、共和国前進も決議を支持した。これまでウイグル人に対する中国共産党の弾圧を「ジェノサイド」と例え非難したのはオランダ、カナダ、英国の各議会と米国政府。
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