反腐敗キャンペーンの辣腕を発揮 王岐山氏、また「大トラ」仕留めたか
習政権の反腐敗キャンペーンの辣腕を発揮する中国共産党中紀委書記の王岐山。マスコミの露出がぱったりと止んだこの40日間で、次なる「大トラ(江派の腐敗官僚)」を仕留めたことが明らかになった。失脚したのは前甘粛省委書記の王三運と重慶市委書記の孫政才。今回の件で、王岐山がマスコミ報道から消えた後には必ず「大トラ」を仕留めて帰ってくるとの見方に対する信ぴょう性が、ますます高まっている。
公共の視野から一カ月以上も「雲隠れ」していた王岐山が、ついに姿を現したのは6月22日。国営メディアは王岐山の貴州視察について報道した。
そして7月11日、「重大な規律違反」により全人代教育科学文化衛生委員会副主任委員で、前甘粛省委書記の王三運に対する調査が開始された。
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先月、習近平政権の反腐敗運動の中心人物である中紀委書記、王岐山氏を狙った暗殺未遂の事件があったと、香港メディアが報じた。これは王氏にとって中紀委書記に就任以来、27回目の暗殺未遂となるという
今秋の中国共産党・第19回全国代表大会(通常党指導部の入れ替えがある、以下19大)を控え、国家主席・習近平氏と国務院総理・李克強氏は、交互に外遊に出かけ、どちらかが国内に留まるという方針を取っている模様。言いかえれば、それだけ李総理の信任が厚いということがうかがえる。
今年4月から、共産党中央政治局常務委員・王岐山(序列7位中6位)のメディアへの露出が減っている。習近平国家主席の片腕とされる王岐山が露出を控えていることに対し、それは王自身の意図なのか、「大トラ(大物腐敗官僚)」の失脚の前兆なのか、それとも秋に開催される19大と何らかの関連性があるのではないかといった、さまざまな見方が錯綜している。