ムダな親切などない

見返りを求めずに助けた男性 思わぬ幸運が

とても急いでいるところに、人が災難に遭っているのを目撃。あなたはとっさに困っている人を助けられますか?アメリカ・コネチカット州に住むアーロン・タッカーさん(32)は交通事故を目撃し、救助活動をしたために、その日の仕事の面接をふいにしてしまいました。失業中でお金がなく、家族を養うために喉から手がでるほど仕事を求めていたタッカーさん。しかし、彼の勇気ある行動は、思わぬ幸運を招くことになったのです。

タッカーさんはある日、仕事の面接へ向かっている途中、車が猛スピードで木に激突し、横転するのを目にしました。ポケットに2ドルしかなかった彼にとって、就活は何よりも大事。しかし、彼は何も考えずに乗っていたバスを飛び降り、事故を起こした車へと走りました。

車からは煙が立ち上り、中には血だるまになっている男性がいました。間一髪で男性を救出し、消火器で車の火を消し止めたタッカーさんは、手際よく自分のシャツで男性の頭部を抑えて止血。男性はすぐに病院に運ばれ、命を取り留めました。

彼の勇敢な行動がテレビで報道されると、たちまち視聴者から大きな反響がありました。彼はCBSのインタビューの中で、「仕事は失ってもまた得られるけど、命は一回限りだから」「その時は、仕事のことなど頭になかった」と話しました。

実は、武器の不法所持で逮捕され、2年近くの刑期を終えたばかりだったタッカーさん。彼は妻ともうすぐ2歳になる息子を養うために、「自分の人生を変えようと決心した」と話しています。更に、変化があったのは、タッカーさんの心境だけではありません。一躍有名となった彼にはたくさんの仕事のオファーが舞い込み、彼の家族を支援するために立ち上がったクラウドファンディングには、6万ドル(約660万円)を超える寄付金が集まりました。

「自分に合う仕事をみつけて、息子を養うために働きたい」と話すタッカーさん。今後はきっと、彼も真面目に生活していくことでしょう。

(文・郭丹丹)

 

 

 

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