NAFTA再交渉、米国が労働分野で新提案 カナダ労組は批判

[オタワ 26日 ロイター] – 米国は26日、オタワで行われている北米自由貿易協定(NAFTA)再交渉の第3回会合で、労働基準の強化に向けた新たな提案を行った。ただ、カナダの労組は不十分な内容だと批判している。

米国、カナダの労組の代表らは、メキシコの緩い労働基準や低い賃金水準が米国やカナダから企業が工場を移転する要因になっていると批判しており、この問題はNAFTA再交渉での主要な争点の一つとなっている。

事情に詳しい当局者らによると、米国の提案には詳細な賃金水準は盛り込まれなかった。

米通商代表部(USTR)の広報担当エミリー・デイビス氏は、「トランプ大統領は労働者の主要な支持者の1人で、NAFTAの従来の効力がない労働基準に代わり、米国の労働者全体に恩恵をもたらす法的拘束力のある措置を提案した」と説明した。

そのうえで、団体交渉など中核的な労働基準を尊重するようメキシコとカナダに確約を求める考えを示した。

カナダの労組「チームスターズ・カナダ」の広報担当は、カナダは3カ国全ての労働条件の改善に向けてさらに踏み込んだ提案を行ったと指摘し、米国の提案は不十分とした。

第3回会合で米国は、労働基準のほか、投資と知的財産に関する提案も行っている。この日は各国の閣僚が協議に加わった。

27日の閉幕後、米東部時間午後2時半(日本時間28日午前3時半)に共同声明が公表される見通し。次回会合は10月11日頃にワシントンで開かれる見込み。

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