米ハワイ州連邦地裁、新たな入国制限も一時差し止め

[サンフランシスコ/ワシントン 17日 ロイター] – 米ハワイ州の連邦地裁は17日、トランプ大統領が9月に発表した複数の諸国からの入国制限について、同州が求めた一時差し止めを認める判断を示した。

トランプ大統領は先月、イスラム圏6カ国からの入国制限に代わり、イラン、リビア、シリア、イエメン、ソマリア、チャド、北朝鮮のほか、ベネズエラ政府の特定の当局者を対象とする新たな規制策を導入すると発表。新たな措置は今週発効予定だった。

ハワイ州政府は、対象国のうち6カ国について、入国制限が連邦移民法に違反していると主張。北朝鮮とベネズエラに関する制限については差し止め要求を見送った。

ハワイ州連邦地裁のデリック・ワトソン判事は新たな制限は「これまでの措置と同様の弊害がある。対象となっている6カ国の1億5000万人以上の国民の入国が『米国の国益に有害』との十分な証拠がない」と指摘した。

同判事は3月にもイスラム圏諸国からの入国制限に関する2回目の大統領令について一時差し止めを認める判断を示している。

ホワイトハウスは声明で、今回の判断は「危険なほど間違っている」と批判。トランプ政権の規制措置が最終的には裁判所に支持されると確信していると表明した。

司法省は早急に上訴する方針を示した。

国務省の当局者は匿名を条件に、地裁の判断を受けて同省が在外公館に対し、チャド、イラン、リビア、ソマリア、シリア、イエメンの国民に対して「通常のビザ(査証)発給手続き」を再開するよう指示したことを明らかにした。

北朝鮮とベネズエラに対しては「最大限の治安向上のため」新たな制限措置を実施するとした。

全米市民自由連合(ACLU)などの団体は新たな入国制限の一時差し止めを求めてメリーランド州の連邦地裁に提訴しており、今後、同地裁の判断が示される見通し。

(※原文記事など関連情報は画面右側にある「関連コンテンツ」メニューからご覧ください)

関連記事
トランプ氏が関心を寄せるグリーンランドが世界の注目を集めている。トランプ氏の発言やトランプ・ジュニア氏の視察により、欧州の同盟国は不安を感じている
台湾では海底ケーブルが損傷を受けるケースが増えていた。先日、中国の貨物船がアンカーでケーブルを破壊していたという指摘がされ、中共の関与の可能性が浮上している
中共のハッカーが侵入したアメリカの通信ネットワークが以前より深刻で被害を受けた企業も多い事が判明。
カナダのジャスティン・トルドー首相が自由党党首を辞任すると発表し、新党首が選出されるまで首相職を継続する意向を示した。後任党首を巡る動向に注目が集まる。有力候補が次々と取り沙汰される中、自由党の行方が今後のカナダの政局に大きな影響を及ぼす。
中国共産党(中共)のハッカーが数年にわたりフィリピン政府を標的にしたサイバー攻撃を行い、軍事データを盗み出していたことが判明。特に南シナ海の領土問題に関連する文書が含まれていたとされる。