韓国中銀、政策金利据え置き 成長率見通しは上方修正

[ソウル 19日 ロイター] – 韓国銀行(中央銀行)は19日、市場の予想通り、政策金利を過去最低の1.25%に据え置くことを決定した。12月の米利上げ観測が広がる中、韓国中銀はリスクを見極めながら慎重な姿勢を続けている。

ロイター調査では、アナリスト20人全員が政策金利据え置きを予想。一方、12人が2018年上半期中の1.50%への利上げを見込んでいた。

韓国中銀の次の政策決定会合は11月30日。

政策金利は2016年6月以来、1.25%に据え置かれている。

Kyobo Investment Trustの債券アナリストは中銀の据え置き決定について「米連邦準備理事会(FRB)が金融政策を一段と引き締める方向であることが恐らく要因だった」との見方を示した。

「FRBが実際に12月に再び利上げしたとしても(韓国から)急激な資本流出が起きることはなく、韓国中銀が利上げを急ぐ必要はない」と述べた。

韓国中銀の当局者は、FRBの利上げ継続により米韓の債券利回りの差が縮小し、韓国から資本が流出する可能性を懸念している。北朝鮮情勢を巡るリスクを背景に韓国の債券市場では最近、外国人投資家が売り越しに転じている。

韓国中銀は今年の経済成長率見通しを従来の2.8%から3.0%に上方修正。インフレ率見通しも1.9%から2.0%に引き上げた。

李柱烈(イ・ジュヨル)総裁は記者会見で、輸出の好調さと個人消費の回復を背景に韓国経済は今年と来年において堅調な成長軌道を描くと指摘。「輸出の好調さは来年も続くだろう。雇用創出に向けた政策と共に雇用情勢の改善が見込まれる」と述べた。

また今回の会合では金利据え置きに対する反対票が投じられたと明かした。反対票は2011年9月以降で初めて。

大信証券の債券ストラテジスト、Kong Dong-rak氏は「中銀は(利上げ)時期を早める可能性があり、(利上げ時期として)11月が適しているだろう。過去の経験を踏まえると、反対票は中銀の次の政策に対するフォワード・ガイダンスのようなもの」との見方を示した。

利上げ観測から債券先物が下落。3年物国債先物(12月限)は0305GMT(日本時間午後0時05分)時点で0.19ポイント安の108.34。株価やウォンは反応薄。

韓国の10年債利回りは前日比2.4ベーシスポイント(bp)上昇の2.416%。

*内容を追加しました。

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