米国が難民受け入れ再開、「高リスク」の11カ国出身者の審査厳格化
[ワシントン/ニューヨーク 24日 ロイター] – 米国のトランプ政権は難民の受け入れを再開する一方で、「リスクが高い」とみなす11カ国からの難民については受け入れ手続きを一時的に延期し、審査を厳格化することが政府当局者の話で24日分かった。
政府は120日にわたり難民の受け入れを停止し、難民審査の見直しを実施してきた。この期限となる24日、トランプ大統領は難民受け入れの再開を認める大統領令を出した。
ロイターが入手した政府の文書によると、難民の受け入れが延期された11カ国は中東・アフリカ諸国が大半を占める。
文書は、11カ国からの難民受け入れへの懸念を指摘し、米国の安全を守るのに必要な追加の措置を決めるために、90日間にわたりより厳格な審査を行うとしている。
当局者は11カ国の名前を挙げることを控えた。
国務省の文書によると、2016年末時点で米国は11カ国出身の大半の成人男性の難民に対して厳格な審査基準を適用している。11カ国はエジプト、イラン、イラク、リビア、マリ、北朝鮮、ソマリア、南スーダン、スーダン、シリア、イエメンで、これらの国に住むパレスチナ人も対象。
政府高官によると、90日の審査期間内であっても、特別な事情があれば、11カ国出身の難民が受け入れられる可能性はあるという。
ロイターが入手した政府の文書では、米国に定住した一部の難民に家族との再会を認めるプログラムを一時的に停止し、審査が厳格化され次第、プログラムを再開する方針も示された。文書は24日に議会に送付された。
政府当局者はこれらの制度変更は国家の安全保障が目的だと説明する一方、難民の保護団体は今回の措置は事実上、11カ国からの難民受け入れ禁止にあたり、すでに厳しい審査を受けている難民には必要がない措置だと反論している。
これとは別に、ロイターが入手した国務省の文書では、政府がすべての難民申請者に対し、過去10年間の所在や家族の詳細などの情報提供を求め、審査を強化することが分かった。