反腐敗は継続すべきとする王岐山前中規委トップ。 (Getty Images)

王岐山氏退任後初の執筆文、「政権転覆を防止せよ」

5年に一度の中国共産党最重要会議・第19回党大会が10月下旬に閉会した後、中国当局は大会の決定事項や関連する学習書籍を3冊発行した。収録された前中央規律検査委員会トップ王岐山氏が執筆した文章では、利益集団が「党と国の権力を奪取する」ことを防がなければならないと述べている。これまで、一部党高官による政権転覆の計画があったと政府高官の発言の端々に出ていたが、政府の公式発表はない。

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同報告書のタイトルは「開啓新時代、踏上新征程(新時代の幕を開き、新たな段階に足を踏み入れる)」。過去5年間の腐敗撲滅運動を総括する部分で、無期懲役で服役中の周永康(元最高指導部メンバー)や薄熙来(元中央政治局委員、江派の若手後継者)などの罪は「政治の腐敗」を示唆し、党内腐敗の一種は「利益集団を結成して、最高権力を奪い取ろうとすること」と明言した。

習氏が腐敗撲滅に触れる際、「党内で政治的陰謀を企むグループが存在する」「生死をかけた戦い」と度々に発言した。

習近平氏の次世代後継者とみなされながら、今年9月末に党籍除名と公職追放の処分を受けた孫政才重慶市前党委書記は、江派クーデターに関与したからだ。10月に開催された「習氏国家主席就任5年間業績展」では、孫政才氏を「政治問題と経済問題を織り交ぜた腐敗分子」として、その写真を周永康、薄熙来、郭伯雄、徐才厚、令計画など失脚した共産党高官「大トラ」の写真と並べた。

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香港メディアの報道では、中国証券監督管理委員会の劉士余・主席は党大会会期中の金融業代表団の会議で、薄熙来・周永康ら6人が「党の最高権力を奪う陰謀を企てていた」と発言した。

王氏は報告書で「複雑で厳しい情勢は短期間で収まることは不可能。少しでも手が緩むと元の状況に戻ってしまう」と反腐敗は継続すべきという見方を示した。

王氏の後任は5年前に党中央政治局委員に昇格した若手の趙楽際・党中央組織部長(60歳)。王氏同様に反腐敗運動が勢いを保たまま続くかが注目ポイントである。

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一方、68歳定年制により最高指導部を退いた王氏が政治から身を引くかどうかも関心の高いテーマだ。来年3月の毎年恒例の全人代で結果がわかるとみられる。習近平国家主席は盟友の王氏に、同定年制に制限されない党内の要職を任せるという見方もある。  

(翻訳編集・叶清)

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