世界の二酸化炭素排出量、今年は2%増で再び増加へ

[ボン(ドイツ) 14日 ロイター] – ドイツのボンで行われている気候変動枠組み条約第23回締約国会議(COP23)で、科学者チームが今年の世界の二酸化炭素排出量は前年比2%増加し、過去最高の370億トンになるとの見通しを発表した。

二酸化炭素排出量は2014─16年にはほぼ横ばいだったが、主に中国の排出量が2年間の減少後増加に転じ、今年は拡大するとみられている。

15カ国から76人の科学者が参加している同チームは「昨年横ばいとなったのはピークではなかった」とのコメントを発表した。

主任研究員の1人であるオスロ国際気候環境研究センター(CICERO)のグレン・ピーターズ氏は、今年の中国の二酸化炭素排出量は経済成長に伴う石炭需要の増加で3.5%押し上げられるとの予想を示した。中国は、米国を上回る世界最大の二酸化炭素排出国で、世界全体の排出量の約30%を占めている。

一方、米国の排出量は0.4%減で、石炭消費の増加で減少幅が近年より縮小する見込み。ピーターズ氏はロイターに、米国の石炭消費増加は、トランプ大統領の石炭推進政策よりも天然ガス価格の上昇が要因と説明した。

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