アイルランド、政権崩壊の危機 12月のEUサミットに影響も

[ダブリン 23日 ロイター] – 英・北アイルランドとの国境問題が英国の欧州連合(EU)離脱交渉で一つの鍵となっているアイルランドが、政権崩壊の危機に陥っている。少数与党の統一アイルランド党に閣外協力する第2党の共和党が、フィッツジェラルド副首相に対する不信任案を提出する構えを示したためだ。

EU離脱交渉の通商協議入りを判断する12月14─15日のEU首脳会議(サミット)では、アイルランドと北アイルランドの国境管理を巡るEU側の懸念が十分に解消されたかどうかなどを協議する見通しで、アイルランドは実質的に拒否権を持つと言える。

アイルランドのコベニー外相は23日に議会で、12月のEU首脳会議で通商協議入りを支持する用意はまだないと述べた。

こうした中、アイルランド国内では共和党が、警察の内部告発者を巡る対応が不適切だったとしてフィッツジェラルド副首相に対する不信任案を28日に提出する方針を示し、統一アイルランド党との対立が急速に深まっている。

共和党が実際に不信任案を提出すれば、統一アイルランド党との閣外協力合意に違反する。

共和党の有力関係者は、アイルランドは選挙に向かっているかとの質問に対し、「まっすぐ向かっている」と答えた。

共和党の主要議員は24日午前に臨時会合を開き、対応を協議する。

閣外協力合意が崩壊すれば、12月か1月に選挙が行われる可能性が高い。

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