米CFPB、トランプ氏指名の局長代理が採用・新規制凍結を指示

[ワシントン 27日 ロイター] – 米消費者金融保護局(CFPB)の主導権争いが激しさを増している。CFPBでは、コードレー局長が24日、辞任を発表。暫定的にイングリッシュ副局長を局長代理に指名した。ところが、トランプ大統領はその直後に、CFPBを強く批判してきたマルバニー行政管理予算局(OMB)局長をCFPB局長代理に指名すると発表。イングリッシュ副局長は26日夜、トランプ大統領による指名差し止めを求める訴訟を起こした。

マルバニー氏は27日、30日間の採用凍結や新規制の導入停止を指示した。

複数の当局者によると、大統領にはCFPBの局長を指名する権限があるが、局長代理を指名する権限があるかについては、見解が分かれている。

審理を担当する連邦地裁は、この問題は「極めて重要かつ複雑だ」と表明。数日中に問題を解決したいとの意向を示している。

共和党議員の間では、CFPBの権限が強過ぎ、金融機関の業務の負担になるとの批判的な見方が多い。

マルバニー氏は、共和党議員時代にCFPBの解体を主張した人物。27日の会見でも、CFPB設置を決めた金融規制改革法(ドッド・フランク法)の解釈はトランプ政権になって「劇的に変わった」と述べている。

マルバニー氏は職員に送付したメールで「イングリッシュ氏が局長代理として出す指示は無視するよう」指示した。

イングリッシュ氏は、CFPB設置を提案したシューマー上院院内総務など、民主党の上院指導部と会談。記者団に対し「マルバニー氏には(CFPBでの)権限がない」と主張している。

シューマー院内総務も、ドッド・フランク法の下ではイングリッシュ氏が正統な局長代理だと述べ、トランプ氏によるマルバニー氏の指名は「CFPBを内部から揺さぶることが狙いだ」と批判した。

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