英とEU、離脱清算金で近く合意か 他の2項目の交渉巡り懸念も

[ブリュッセル 29日 ロイター] – 英国の欧州連合(EU)離脱に向けた交渉で、バルニエEU首席交渉官は29日、ベルリンで開かれた会議で、離脱清算金を巡る英国との合意を今後数日中にEUに報告できるよう望んでいると語った。

また、英国がEU側の要求(600億ユーロ)に近い500億ユーロ前後を支払う意向を示し、EU側がこれをおおむね承諾したとする英紙の報道についてロイターの記者に問われると「そこまで至っていない」と回答。交渉が継続中であることを強調した。

メイ英首相の報道官はこの報道について「憶測」だと述べた。ただ、多くのEU当局者は今回の報道は英政府関係者が情報源とみている。

アイルランドのフィル・ホーガン欧州委員は、英国は「英国以外のEU加盟27カ国の要求にかなり見合った提案を示した」と述べた。

英国はEUとの一連の交渉で、2019年のEU離脱後の貿易条件に関する協議入りを望んでいるが、EU側は離脱交渉の3つの重要項目である、離脱清算金の支払い合意、在英EU市民の権利保証、アイルランド国境問題の解消を優先すべきと求めてきた。

EUのバルニエ首席交渉官は、3項目を巡る協議は続いているとし、12月14─15日のEU首脳会議で、英国との交渉を貿易条件などの次の段階に進めるのに「十分な進展」があったと報告できるよう望んでいると述べた。

交渉官は12月4日にメイ首相および欧州委員会のユンケル委員長と会談する予定。メイ首相は12月のEU首脳会議で離脱交渉の進展が認められるためには、4日が3項目に関する提案を示す「最終期限」としている。

複数のEU外交官はロイターに対し、英国側がここ数日の間に、離脱後のEU分担金などの支払いを口頭で約束したと明らかにした。

一方、離脱清算金を巡る合意によって他の2つの重要項目の交渉で、英国が要求を強める可能性を懸念する声もある。

*内容を追加して再送します。

関連記事
4月29日、テキサス大学オースティン校にテントを張っていた親パレスチナ派デモ参加者を、警察当局が逮捕し始めた。
米国とフィリピンが、南シナ海で初めて肩を並べて行った共同軍事演習の最中、4月30日に中共の海警船が、同海域でフィリピンの船舶に再度危険な干渉を行(おこな)った。中共は以前から、南シナ海でフィリピンの船舶に対して干渉を繰り返し、国際社会から批判を受けている。
今年11月に迫る米大統領選で勝利した場合、トランプ氏は数百万人の不法移民の強制送還や中国製品の関税強化、議会議事堂事件で起訴された人々の恩赦を行うと米誌タイムのインタビューで語った。
米国連邦大法院で、ドナルド・トランプ前大統領に対して一定レベルの免責特権は適用可能かもしれないという前向きな解釈が出た。これは、任期中に適用された容疑に関して「絶対的な免責特権」を要求していたトランプ側の主張に対して懐疑的だった従来の立場から少し緩和されたものだ。
北米全土の大学生の間で、ハマスへの支持とパレスチナ人の幸福への懸念が急激に高まっている。ほとんどの学生にとって、それは地球の裏側にいる人々と密接なつながりがあるからではない。学業をなげうってまで過激主義に傾倒するのはなぜだろうか。