中国政府が北朝鮮を見放すか 官製メディア「最悪の事態に備えている」
北朝鮮が11月29日新型の大陸間弾道ミサイルを発射したため、朝鮮半島の緊張は再び高まった。複数の中国官製メディアは、中国は有事に備えているとし、戦争が起こりうる事態だとほのめかした。
北朝鮮は今回の弾道ミサイルはアメリカ全土をカバーすると宣伝している。中国特使の訪朝が奏功せず、中国政府はついに北朝鮮に見切りをつけた可能性が高じている。
発射翌日の11月30日、中国の英字新聞・チャイナディリーの社説は、朝鮮半島の情勢について「時間の猶予がない。現状は2つの選択肢しかない。戦争するか、北朝鮮の核保有を容認するか」と戦争の可能性を初めて示唆した。
2日、共産党機関紙・人民日報傘下の環球時報の社説は、北朝鮮問題において中国政府が米朝双方に義理を尽くしたとして、戦争のリスクが高まり中国は難しい選択を迫られ、「最悪の情勢」に備えていると伝えた。
11月30日の中国外交部の定例記者会見で、報道官はこれらの社説についての見解を求められた際、「外交部は通常、メディアの報道にコメントしない」と答え、「対話による解決」という従来の政府主張を繰り返した。中国の政治に詳しい識者は、一連の社説は中国政府のメッセージであると指摘する。
香港の英字紙サウスチャイナ・モーニング・ポスト(南華早報)1日の報道によると、中国当局は有事の際、北朝鮮の中国人留学生の緊急撤退に備えている。また、中朝国境地帯の警備にあたる北部軍区第78集団軍の一部は近日、実戦演習を実施した。
米国防省筋の情報によると、今回のミサイル発射を受け、米中軍部の代表はワシントンで会合し、「危機中の行動、誤断・誤解を避けるための対策」を議論した。
(翻訳編集・叶清)
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