清く正しく美しく 貧乏青年が遭遇したことは?
家庭の事情で幼い弟妹を養うために、高校をやめて働かざるを得なくなったら、あなたはどんな気持ちになるでしょうか?不平不満を感じる人もいれば、ひたすら前向きに前進する人もいるでしょう。現実を受け止めて淡々と進む人の方が、目の前にある困難が簡単に解決する場合があります。
米国インディアナ州で母子家庭に育ったジャクェイル・レーガンさん(Jhaqueil Reagan)は、16歳のときに母親を病気で亡くしました。幼い弟妹を養うために、やむなく高校を中退して働くことになり、わずかなアルバイト代で3人の生活費を賄っていました。しかし2013年、18歳になった彼は失業し、住む場所もなくなってしまいました。友人の家のソファで寝泊りし、4カ月間収入のない苦しい生活を送りました。ようやく中古品を取り扱う店の面接にこぎつけましたが、バスに乗るお金がないため、店まで16キロの道のりを歩くことにしたのです。
真冬のインディアナポリス地区は雪に覆われ、道を歩くのは非常に大変です。レーガンさんは寒さをしのぎながら、ひたすら歩き続けました。あるレストランの前に立っていたアート・バウビアさん(Art Bouvier)に道を尋ねると、あと10キロもあるとの返事。大雪だからバスに乗った方がいいと親切に教えてくれましたが、レーガンさんは歩くしかありませんでした。
しばらくして、車で出かけたバウビアさんは、レーガンさんがまだ歩いているのを発見。不憫に思ったバウビアさんは彼を車に乗せ、食事代を渡して目的地まで送ってあげました。この時、レーガンさんの真面目さと粘り強さに強い印象を持ったというバウビアさん。レストランのオーナーだったバウビアさんは、彼を雇いたいと考えるようになりました。
その後、面接先から連絡がなかったレーガンさんは、バウビアさんのレストランで働くことが決まりました。この一件がバウビアさんのFacebookから拡散されると、好青年のレーガンさんを一目見ようと大勢の人がレストランに押し寄せました。
バウビアさんはRTV6 Newsの取材に対して、「時給800円のアルバイトの面接のために、真冬の雪道を16キロも歩いていく人は、決して無断欠勤はしない」と確信したと話しています。
一方、「僕は本当にラッキーでした」と話すレーガンさん。自分が最も困っていたときに助けの手を差し伸べてくれたバウビアさんに感謝の気持ちでいっぱいだと話しています。
メディアの報道により、世界中からレーガンさんのもとに経済的な援助が届きました。ところが彼は、このお金を自分のためには使わず、職を探す人がより早く生活を軌道に乗せられるようにと寄付しました。有名人となったレーガンさんのおかげでレストランは繁盛し、彼自身も小さな部屋を借りることができたそうです。
(翻訳編集・豊山)