科学の向こう側
地獄は存在する ある証言者の体験
臨死体験(NDE)の証言を集めたウェブサイトNDEリサーチ・ファウンデーションによれば、臨死体験者たちは、そのほとんどが光や天使などを目撃し、安らぎと平和に満ちたものだったと回想しています。しかし、まれに地獄のような暗黒の世界を垣間見て生き返る人も。自殺を図ったある男性の証言をご紹介します。
1989年、当時19歳だったジェフリーさん(Jeffery)は、ガールフレンドが自分の友人と浮気していたことを知り、大量のドラッグを飲んで自殺を図った。母親が異変に気づき、すぐに救急車で運ばれたが、病院に着いた時はすでに意識はなく重体だった。その時、彼の意識は自分の身体から抜け出して、病室の様子を眺めていた。
彼は次に、青い天使に引っ張られて光の柱に入った。二人は光の中をものすごいスピードで移動し、到着した場所は雲の上。天国の門の前で、大勢の人々が待っているのが見える。しかし、彼はそこに並ぶことはできず、天使に助けられながらこの人生で経験した出来事を一緒に振り返った。
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身体からゆっくりと抜け出し、上から自分を眺めていた―瀕死の状態から生還した人は、時に不思議な体験を語ることがある。光を見たとか、トンネルを抜ける感覚があったなど様々な報告があるが、それら「臨死体験」の科学的根拠については賛否両論だ。しかし、おおむね共通しているのは臨死体験者の人生観が根底から変わり、非常にポジティブになるということ。彼らは時に、常人の理解を超えた寛容さを見せる。
「きれいな花畑が見えた」「たくさんの光を見た」など、臨死体験者の多くは穏やかで美しいイメージを語る。しかし、オランダ人のサーテジー・ゲーツさん(Saartjie Geurts)は、死の瞬間は恐ろしく、まさに地獄だったと話す。
神秘に包まれた「死後の世界」は永遠のテーマ。誰もが逝かなくてはならないなら、せめて穏やかにその瞬間を受け入れたいものです。医学の進歩により、あの世の一歩手前から戻ってきた人たちがいます。彼らの回想録を読むと、人の一生について、また命や魂について、深く考えずにはいられません。