タフな女性の願いとは…

恩人に会うため警察官に 虐待の過去を乗り越えて

警察官になった女性が、20年の時を経て恩人との再会を果たしました。

両親からひどい虐待を受け、悲惨な子供時代を過ごしていたサリー・チェンさん(Sally Zheng)。彼女の境遇をみかねたニューヨーク市警察(NYPD)の警察官ラルフ・トレスさん(Ralph Torres)が介入し、幼いサリーさんを施設へ避難させました。

「何年も虐待された後、初めて自分が安全な場所にいることを感じました」と語るサリーさん。彼女にとって、トレスさんは自分を救ってくれたヒーローに見えたのです。

幼い頃のサリーさん (CBS New York/Screenshot)

その後、サリーさんは身辺が落ち着いてから連絡しようと持っていたトレスさんの電話番号を紛失。トレスさんに連絡することができず、繋がりは途絶えてしまいました。

しかし、サリーさんはあきらめませんでした。トレスさんに再会するため、成長した彼女は自ら警察官になることを志願。NYPDに勤務が決まると、すぐに「トレス警察官を知りませんか?」と周りの人たちに聞きまわりました。

(CBS New York/Screenshot)

しかし、なかなか彼は現れませんでした。彼女はトレスさんと再会したらすぐに渡せるようにと長い手紙をしたためました。その手紙には、「あなたは私に勇気をくれたヒーローです」と書かれていました。彼がサリーさんの運命を変え、強い女性に成長するきっかけを与えてくれたのです。

ある日、警察署の点呼の時間にサプライズがありました。警察本部長が全員の前でサリーさんに話しかけました。「ラルフ・トレス警察官に会いたいかい?」

(CBS New York/Screenshot)

驚きのあまり、言葉も出ないサリーさん。信じられない様子でいると、温和な表情を浮かべたトレスさんが登場しました。二人は20年越しの再会に涙し、抱擁しました。

「ずっと、私は元気にやっているということを彼に伝えたかった」と涙ぐむサリーさん。

「もう一人の娘を得たような気持ちです」とトレスさん。

サリーさんのことを、とても誇りに思うと話すトレスさん。退職した警察官として、今後はサリーさんのよき相談相手となるでしょう。

(CBS New York/Screenshot)

(文・郭丹丹)

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