自分の死を予言した女性 分娩の事故で現実に
悪夢を見たり、嫌な予感がしたり…誰にでも経験があるものですが、そのほとんどはただの気病みに過ぎません。でも、時にはそれが現実となってしまうことも。自分の死を予言した女性が、すんでのところで命拾いしたケースをご紹介します。
アメリカに住むステファニー・アーノルド(Stephanie Arnold)さんは、二人の娘(一人は義理の娘)を持つ専業主婦。お腹に2番目の子供を授かったアーノルドさんは、不安な日々を過ごしていました。
「息子を産んだら、私は100パーセント死ぬことが分かっていました」と話すアーノルドさん。予定日の2カ月前頃から、自分が分娩台の上で亡くなるビジョンを繰り返し見るようになったのです。
彼女は家族や友人、医師たちに繰り返し自分の死を予告しましたが、誰も本気で取り合ってくれませんでした。周りの人たちは、彼女がマタニティー・ブルーの類で、単に神経質になっているだけだと思っていたのです。
しかし、彼女が見たビジョンは鮮明でした。分娩台の上で心肺が停止し、腎不全になり、子宮摘出という処置を受けながら亡くなるのです。しかし、彼女の担当医は「そんな事は起こらない」と言って一笑に付すだけ。最後にアーノルドさんの相談に乗った麻酔医だけは、念のためにと輸血用の血液と救急処置用のカートを準備するよう手配しました。
2013年5月、出産の日がやってきました。予定より早く出血があり、病院へ運ばれたアーノルドさんは、健康な男の子を産みました。ところがその3秒後、なんとアーノルドさんは亡くなってしまったのです。悪い予感は現実となり、彼女の心肺は37秒間停止しました。
救急チームの処置により、なんとか一命をとりとめたアーノルドさん。その時のトラウマに苦しんだ彼女は、催眠療法で亡くなった瞬間まで退行しました。
すると、意識がなかったはずの彼女は身体を抜け出し、いろいろな場面を立体的に眺めていました。医療スタッフが彼女の蘇生のためにバタバタしているところ、他の部屋にいた娘、足元にいた麻酔医、空港に到着したばかりの夫。また、横たわる彼女の横にいた担当医が「こんな事はありえない、こんな事はありえない!」と言うのも聞こえました。後に、彼女が目撃した情報がすべて正しかったことが判明。更に、担当医がつぶやいていたのは、頭の中だけだったことも分かりました。もし、麻酔医が大量の輸血用血液と救急処置のカートを用意していなかったら、彼女は助からなかったのです。
アーノルドさんの症状は、羊水塞栓症(ようすいそくせんしょう)で、40000人に一人という非常に珍しいケース。母体が羊水に対して強いアレルギー反応を起こすというもので、致死率が非常に高く、予測不可能の疾患でした。
子供の頃から直観や予知能力に優れていたというアーノルドさん。大人になるにつれて衰えましたが、妊娠を機に、その能力が再び強まったようでした。
「直観があったら、それを無視しないで、自分を信じて。予感があったら、周りの人に話すことが大事」と断言するアーノルドさん。
「今回の件で、人には魂が存在することを確信しました。魂は肉体に宿るし、肉体が亡くなっても、魂は存在します。だから、怖がらないで」
「神の恵みに感謝しない日はありません。一日たりとも、人生に感謝しない日はありません」とアーノルドさんは語っています。
(文・郭丹丹)