内モンゴル自治区包頭市内にある鉄工場(China Photos/Getty Images)

中国・内モンゴル、経済データ捏造 工業増加値を40%水増し

内モンゴル自治区政府はこのほど、地元の経済工作会議で同省財政統計に捏造があったことを公式に認めた。国営新華社が運営するネットサイト「新華網」が3日に報じた。

それによると、同省は2016年度の工業増加値(日本の売上高総利益に類似)を約40%水増し、捏造分が同自治区の中心地・フフホト市の域内総生産(GDP)に相当する2900億元(約5兆億円)に達したことが明らかになった。

昨年の公式発表によると、内モンゴル自治区2016年のGDPが1800億元超(約3兆1200億円)で、全国31省市区の中で16位に入り、GDP成長率が7%で24位にランクイン。

経済指標の捏造について前例は少なくない。政府機関や地方政府に規律違反がないかを調査する中央巡視チームが2014年に東北三省(黒竜江省、吉林省、遼寧省)の捏造問題を摘発して以来、三省のGDP成長率が暴落し、全国ランキングで2年連続の最下位になった。

遼寧省政府は昨年1月、2011年から14年まで同省の財政統計に毎年20~23%近くの水増しがあったことを初めて公式に認めた。

中国審計署(日本の会計検査院に相当)が昨年12月に公表した2017年第3四半期の監査結果では、雲南省や湖南省、吉林省、重慶市の4省10市区で発覚した架空の財政収入が15億4900万元(約270億円)にのぼったと指摘された。

一連の不正はまもなく発表される2017年GDP統計にはどのような変化をもたらすか、注目されている。

中国地方政府が発表する経済数値にはなぜ、捏造されたものが多いかについて、中国紙・新京報の3日の報道では、その原因が「官僚が数値を作り出し、数値が官僚を作り出す(官僚はGDP成績を捏造することで出世や昇進を果たす意味)」という幹部昇進制度にあると分析した。

(翻訳編集・王君宜)

関連記事
「孔子学院?新華社?こんなものはもう退屈だろう。中国が本当に世界的なソフトパワー拡大には、モバイルゲームに焦点を当てるべきだ」中国国内メディアは最近、100億米ドル規模に達している中国ゲームの影響力の高まりに自信を見せている。当局は、ゲームコンテンツを通じて中国文化の浸透工作や、親共産主義人物の人気獲得を促進したりしている。
日本料理の「五味五色」が生む健康の秘密。陰陽五行に基づく養生観が、日本人の長寿とバランスの取れた食文化を支えています。
2023年5月25日に掲載した記事を再掲載 若者を中心に検挙者数が急増する「大麻」(マリファナ)。近日、カナダ […]
中国共産党が7月に反スパイ法を改正し、邦人の拘束が相次ぐなか、外務省が発表する渡航危険レベルは「ゼロ」のままだ。外交関係者は邦人の安全をどのように見ているのか。長年中国に携わってきたベテランの元外交官から話を伺った。
日中戦争の勝利は中華民国の歴史的功績であるが、これは連合国の支援を受けた辛勝であった。中華民国は単独で日本に勝利したのではなく、第二次世界大戦における連合国の一員として戦ったのである。このため、ソ連は中国で大きな利益を得、中共を支援して成長させた。これが1949年の中共建国の基礎となった。