米朝首脳会談、「見かけだけではない」米高官がトランプ氏擁護

[ワシントン 11日 ロイター] – トランプ米大統領が北朝鮮の金正恩・朝鮮労働党委員長の申し出に応じ、史上初の米朝首脳会談が5月までに実現する見通しとなったことについて、米政府高官らは11日、会談は見かけだけではなく、北朝鮮への贈り物でもないと述べ、大統領を擁護した。

ポンペオ中央情報局(CIA)長官はFOXニュースの番組で、「大統領は見かけだけのために動いているのではなく、問題を解決しようとしている」と述べた。

ポンペオ長官とムニューシン財務長官は11日のニュース番組で、米政府は北朝鮮が米国側との会合に先立ち、すべての核・ミサイル実験を中止することを見込んでいるとの考えを表明。会談の最終目標は朝鮮半島の非核化であり、金委員長はこれに同意していると述べた。

ポンペオ長官は、朝鮮半島周辺での米軍の演習は会談開催まで継続されると述べた。

米朝首脳会談の場所や日程はまだ決まっていないが、トランプ大統領が会談の申し出をすぐに受け入れたことで、関係国の当局者は慌ただしく準備に入った。

北朝鮮の歴代指導者は米大統領との対面での会談を長年要求してきたが、人権侵害や核開発が問題となり、実現しなかった。

民主・共和両党の議員からは、米国は北朝鮮との首脳会談を受け入れる前に譲歩を求めるべきだったとして、トランプ政権に批判的な意見が出ている。

民主党のエリザベス・ウォーレン上院議員はNBCの番組で、「北朝鮮に『ご褒美』を与える前に、米政府は検証可能な形での方針転換を北朝鮮に要求すべきだ」とし、北朝鮮がトランプ大統領を「利用」することを懸念していると述べた。

ポンペオCIA長官とムニューシン財務長官はこうした批判に反論。米政府は北朝鮮に譲歩せず、経済制裁と軍事力による威嚇を会談まで継続することで同国に圧力をかけ続けると述べた。また、トランプ大統領が首脳会談に応じたことが金委員長を国際政治の舞台に引き上げることになるとの見方も否定した。

ポンペオ長官はCBSの番組で「トランプ政権は北朝鮮の監視を継続しており、この間も圧力をかけ続けている」と語った。

共和党のコリー・ガードナー上院議員は11日、CBSの番組で、会談の開催前に北朝鮮の具体的な行動を確認することが重要だと指摘。「会談後では、外交手段の余地が非常に限られる」と述べた。

米コンサルティング会社ユーラシア・グループのイアン・ブレマー社長はCNNの番組で、米国の歴代大統領が成し遂げていないことを実現することはトランプ大統領にとって非常に魅力的だと指摘した上で、「大統領が実現を望んでいるのは明らかだが、それは実現を意味しない」と述べた。

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