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植物にも感情がある (四)

 

この記事は

植物にも感情がある (一)

植物にも感情がある (二)

植物にも感情がある (三) の続きです。

偶然にリュウゼツランの実験から、植物にも感情があることを発見したバクスター氏は、その後一連の実験を引き続き行った。バクスター氏は一つの規律を見つけた。すなわち、質の高い実験結果は綿密な設定によるものではなく、思いつきで行った実験から得られる。すべてが自然に発生したとも言える。タマゴの実験の後に、次の実験を行った。

「ある日、ヨーグルトを食べているときに、スプーンでカップの底についているいちごジャムをスプーンですくい、ヨーグルトの上にのせてみたら、リュウゼツランにつなげていた音波測定器が反応した音が聞こえました」とバクスター氏が話した。

これについて、バクスター氏はヨーグルトをかき混ぜたことで細菌が刺激を受け反応したことをリュウゼツランが感知したのだろうと解釈した。つまり、リュウゼツランは直接ヨーグルトに接触していなくても感知できるのだという。

いちごジャムをのせられたヨーグルトのパック。

その瞬間、リュウゼツランが激しく反応した。

 

バクスター氏はその後の実験で、細菌と細菌との間の多くの感知結果を得た。

その中の一つの例だが、バクスター氏は鮮度の落ちた鶏肉を使って実験を行った。冷蔵庫から取り出してしばらく経過した鶏肉を割いたとき、4つの部屋を隔てた先の場所に置いてあるヨーグルトの乳酸菌などが反応し、曲線を描き出した。鶏肉の鮮度が落ち、腐敗菌が生じ始めたころにあたる。バクスター氏は次に、鶏肉を高温電気照明の下にしばらく置き腐敗させた。案の定、腐敗菌が増殖し始めたときにヨーグルトの菌が再び反応したという。実験は繰り返され、その都度ヨーグルトに含まれる特定の細菌が反応を示した。バクスター氏はこれを「有益菌が腐敗菌を感知する実験」と名付けた。

細胞の本能的感知能力

バクスター氏は、最後に鶏肉を飼っている猫に与えた。猫が鶏肉を食べてから約10秒前後で、ヨーグルトの中の細菌の反応が止まった。これはおそらく腐敗菌が猫の胃の中で分解され消化されたからだとバクスター氏は解釈する。この実験では、接触していない細菌が別の細菌を感知することができることが示された。これに啓発されたバクスター氏は次に、人間から切り離された細胞とその本体(持ち主)との連係の有無について、強く興味を持った。

バクスター氏が飼っていた猫

 

 

バクスター氏は、別の実験でその連係を裏付けた。石油化学関連の仕事に従事するビジネスマンの血液を遠心分離器にかけ、分離された白血球を嘘発見器につなげ、白血球の持ち主の感情変化に対して、白血球がどう変化するかを観測した。実験当時、ビジネスマンは新聞で国会公聴会の報道を読んでおり、化学工業界への厳しい行政管理を実施することについて、怒りの感情を表出した。すると同じときに白血球も同じ感情を表し、嘘発見器がその変化を描き出した。 バクスター氏はその後、自身から取った白血球に対しても様々な実験を行った。

バクスター氏はさらに、友人のスティーブン氏からも細胞を採取し、次の実験を行った。彼は採集した細胞を電極とつなげた。ビデオカメラをスティーブン氏の後ろに設置し、雑誌「プレイボーイ」を見せた。スティーブン氏は、最初は雑誌の中にある遺伝子学の文章を読んだが、嘘発見器からはなんの変化もみられなかった。しかし、彼が雑誌の中にある裸の女性の写真を見たとき、彼の白血球は激しく反応した。

スティーブン氏は後のインタビューで、「私はまだ大学生でした。プレイボーイ誌で裸の女性の写真を見たときに白血球の反応が最も顕著で約2分と30秒にわたり長く続きました。その後、実験をやめて雑誌を閉じて横に置いて、目を閉じ休憩に入りました。しばらく経って、自分も落ち着いたと感じたから、再び雑誌に手を伸ばそうとしたその瞬間、嘘発見器がまたも大きな曲線を描き始めました。そのとき、私たちは本当に笑いが止まらなかったのです」と当時を語った。

たくさんの実験結果から、主体(細胞の持ち主)の情緒の変化は、主体から採取した細胞は意識的に感知することができると分かった。「この研究は極めて重要なものです。私は人々に対して一対一で話していくのではなく、一対百万の形で、さらに多くの人々に生物が本能的に感知する能力が備わっていることを理解してもらいたいのです」とバクスター氏は語っている。

 

生命は奥深いところに本当に内なる連係が存在するのだろうか?バクスター氏の実験から16年が経った1982年、フランスの物理学者アラン・アスペクト氏と彼が率いる研究チームは、ミクロ粒子の間に「量子もつれ(Quantum entanglement)」が存在することを発表した。量子力学の中では、源が同じである2つのミクロ粒子の間には何らかのもつれ関係が存在しており、2つの粒子はどんなに遠く離されていても、どちらかの粒子を動かせば、もう1つの粒子が即時に感じるという。

量子もつれはすでに世界で行われた多くの実験で実証されており、多くの科学者は量子もつれを、ここ数十年間で最も重要な発見に数えている。その意義は明確ではないが、 哲学界、科学界、宗教界にかなりの影響をおよぼしており、西洋科学の主流思想に対しても大きな衝撃となった。これらの実験結果から、さらに中華民族の伝統思想である「天と人の合一(天と人が一つになる)」、「万物に霊が宿る(生物・無機物を問わず、あらゆる物の中に生命がある)」、「万物に仏性あり」の広域な奥深さも再認識させられた。

バクスター氏は、援助や予算もない悪条件下で一台のコンピュータといくつかの手紙、自分の社会福祉関係の補助金で研究室を維持した。そして、自然界への畏敬の念を頼りに生命への探求を研究し続け、人類に新しい発見の世界を見せたいと望んでいるという。バクスター氏のパートナーでもあるスティーブン氏は、「全く金儲けにならないのに、彼ほど自分の信念を守り歩み続ける人は本当に稀です。 彼は、金を目的とせず、 世の人々に自分の研究を知ってもらうことを目標として掲げているのです」と高く評価している。

2014年で、バクスター氏は90歳「私にとって9という数字はとても重要です。90歳になったとき、私は自分の全てを捧げることになるでしょう」と語っている。

訳者注:バクスター氏は、惜しまれつつも2013年6月24日に逝去された。享年89歳。ご冥福をお祈りします。

(続く)

植物にも感情がある (五)

(大紀元日本ウェブ翻訳編集チーム)

 

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