植物にも感情がある (五)

 

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植物にも感情がある (一)

植物にも感情がある (二)

植物にも感情がある (三)

植物にも感情がある (四) の続きです。

植物は、今まで思われていたように「見えない」、「聞こえない」、「話せない」生き物ではない。植物は人間のように思考能力を持っているということを、バクスター氏は発見した。バクスター氏の発見からしばらくの後、「植物心理学」という新しい学問が誕生したのである。

心を静め、植物の変化を捉えたバクスター氏

1973年、ピーター・トムスキン(Peter Tompkins)氏とクリストファー・バード(Christopher O. Bird)氏は共同で出版した著作『植物の神秘生活』(The Secret Life of Plants)の中で、植物が言語・思惟・祈りに対して反応していることを確認したと述べている。多くの科学者が、植物には意識と思惟があり、喜怒哀楽などの感情も持ち合わせていること、さらに、人間にはおよばない超能力を持っていることなどを報告している。

一方、1974年、「バクスター効果」は再現することができないと反論する者が現れ、科学誌『サイエンス』も同様の疑問を呈した。これに対してバクスター氏は、「人為的に植物を破壊する際に起きた反応を観察してはなりません。人為的に介入すると、植物の反応を妨げることになります。あくまでも『自然発生』した過程でなければなりません」と話した。当時の主流を占める科学者たちは、彼の説明を受け入れず、植物が電子伝達活性を持っていることさえ疑問視した。今では、植物の電子伝達活性は既に認識されているものの、一部の科学者の固定観念が強く、研究が進められていないのが現状だ。

天人合一」の思想と一致

一方、「バクスター効果」を説明することができるのは、※「量子非局所性理論(nonlocality)」だけかもしれない。即ち、同一原子から出された二つの光子(こうし、photon)は、両者の離れた距離に関係なく、一つの極性が変えられるともう一つの光子もその影響を受ける。アインシュタインはかつて、量子(りょうし)が非局所性を持つため、粒子間は「まるで霊体のように距離を超えた力」が存在し、時間と空間を越える力で互いに連係作用を持つ、と言った。もし非局所性が量子次元から、人間の肉眼で認知できる次元まで表わすことができれば、「バクスター効果」も容易に説明できるだろう。これは、宇宙全体が互いに影響し合っていることを指しており、まさに中国の道家が唱える「天人合一」の思想と一致している。

人類が大自然を観察することは、研究室で実験している時とは訳が違う。例えば、山奥に生息する希少動物を写真に撮ろうと、1万人が山に登ってその動物を見つけようとするが、一枚も撮れなかったとする。しかし運良く一人だけ写真を撮ることに成功した時、その事実を決して否定してはいけない。一度でも発見されたのなら、この現象は真に存在しているということが充分に証明できるのであり、繰り返し証明する必要はない。

また、研究室で実験を行う際、人間が主体となって、どのように繰り返し実験するのかは自由である。しかし、大自然の中では自然を主体とし、人間は、あるがままを観察したらよい。人為的な介入は大自然の流れを破壊するだけである。

 

バクスター氏の実験は、彼が行なう催眠術と同じように、誰もができるとは限らない。実験者と被験者の間には協力関係が必要であり、もし片方に敵意があれば、実験はできなくなる。これは超能力の実験でよく目にする現象である。

一方、ほかの分野においても、一般的に認識されていない特異な現象を理解できる人は少数派で、多くの人はそれらを理解できない。しかし、多数派は決して、少数派が見た真実を否定することはできない。真実は人数の多少で判断することではないからだ。

また、私たちが住んでいる環境は騒がしく、いたる所に騒音が充満している。この様な状態で静かに植物の心から出てくる音に耳を傾けられる人がいるだろうか? 「静かに」とは、音の静かさだけではなく、思ったり考えたりする雑念のない静けさを指す。誰もがバクスター氏のように、物質世界の雑念から離れ、心を静めて植物の変化を捉えることが出来るとは限らない。

バクスター氏の実験は、中国の「万物に霊あり」(すべての生物には魂がある)」という思想を証明している。そして、中国古代の人々の知恵にも感服せずにはいられない。古代中国人は最も簡単な言葉を使って、宇宙の最も奥深い思想を後世に伝えたのである。

※量子非局所性理論(nonlocality)― この宇宙における現象が、離れた場所にあっても相互に絡み合い、影響し合っているという理論

(完)

(大紀元日本ウェブ翻訳編集チーム)
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