青海省玉樹チベット族自治州で2015年7月、伝統の行事に臨むチベット族たち(Kevin Frayer/Getty Images)

チベットの演劇舞台、英劇場が中国政府に「忖度」してキャンセル

チベット文化に関する演劇舞台は昨年、予定された英国の劇場で「経済的な理由」によりキャンセルされた。しかし、実際は中国共産党政府からの圧力に屈した劇場側と、英国芸術当局の判断であったことが最近、報道により明らかになった。国際的な批判を受けて劇場側はチベット側に謝罪し、中止となった舞台は2019年春に上演することを約束した。

インド在住の劇作家アビシェフ・マジュンダール(Abhishek Majumdar)氏による演劇作品「パ・ラ(Pah-La)」は、現代のチベット人の生活や、ダライ・ラマ14世を含むインド亡命のチベット人について舞台で表現する内容だ。

チベットは1950年頃、中国共産党の人民解放軍に「チベットの解放」の名目で侵攻を受けた。以後、漢民族の大量流入や言語や信仰の弾圧などの民族同化政策により、チベット文化は「風前の灯火(ともしび)」と人権専門家らは危惧している。

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