人気アプリの閉鎖に反発、市民がクラクション音で抗議=中国北京

中国当局はネット取り締まりを一段と強めている。中国のラジオ・映画・テレビの検閲当局である国家広播電影電視総局(以下、広電総局)は、「低俗」との理由で、人気アプリ内涵段子」の永久閉鎖を命じた。

「内涵段子」は、コントや漫才などお笑い映像の視聴・投稿専用アプリで、利用者は約2億人いると言われている。当局の決定に不満を持つユーザーらは11日早朝、北京市西城区にある同局ビル前で抗議活動を行った。集まった700台とされる車は、一斉に車のクラクションを鳴らして抗議した。

また、同局を管轄する文化部ビル前や市内各所で、「内涵段子」のユーザーらが車のクラクションを鳴らして抗議活動を展開している。

ネットユーザーらは「低俗って?理由を教えてください。毎日疲労困憊(こんぱい)で帰ってきたあと、また落ち込む時もそれを見て笑ってストレス発散できたのに。今は…もう本当に最悪。慰めてくれる場所がない…」、「政府にがっかりだ」などと反発した。

 

また、「段友(内涵段子のユーザー)の人数が一定の規模になっているし、考え方も似ている。当局は段友の結束力を恐れているのでは」、「内涵段子のコントの多くは現代社会を風刺しているからだ」と当局の真意を推測する投稿もあった。

「内涵段子」のユーザーは仲間意識が高いとされる。大手グループチャットサービス「QQ群」に数百のグループが存在する。

また、日常生活で運転中、赤信号や渋滞で一時停車となった際、ユーザーらは、決まったリズムでクラクションを鳴らして、ほかにユーザーがいるかどうかを確認する。このクラクションを聞いたユーザーも同様のクラクション音で返すという。

「内涵段子」を運営する大手ニュースアプリ・今日頭条の張一鳴・最高経営責任者(CEO)は11日、当局の措置を受けて、ネット上で謝罪文を掲載した。張氏は、今後ニュースや投稿記事の検閲スタッフを今の6000人から1万人に増やすとした。

(翻訳編集・張哲)

 

関連記事
上海の街なかにも「「給料を払って!」の怒りの大軍が現れた。
邪気渦巻く中国で暴走車が市民をはねる事件「1日に3件」も?
今年、若者をターゲットにした老人ホームが中国の浙江、雲南、重慶、合肥などで急激に人気を集めている。ストレスから解放されたい多くの若者が、このような施設を訪れて「躺平」、つまりゆったりとした生活を満喫している。専門家たちは、若者たちの心理状態が現在の経済状況に左右されており、それが経済にも影響を及ぼしていると警鐘を鳴らしている。
中国には、「一日の始まりに必要な7つのものがあり、それは、薪、米、油、塩、たれ、酢、お茶である」ということわざがあります。お茶は中国の文化の一部としてなくてはならないもので、客人にふるまったり、食後にたしなんだり、その長い歴史の中で育まれてきました。
16日夜、中国山東省済寧市にある大型ショッピングモールで少女(14歳)が転落し、死亡する事故が起きた。 少女は […]