中国、米産原油・大豆輸入拡大の動き 対立回避へ歩み寄り
[シンガポール/北京 23日 ロイター] – 中国が米国からの原油輸入を過去最大の水準に増やす方針であるほか、大豆の輸入も拡大する見込み。中国政府が国有の精製業者や穀物業者に対し、米中対立を緩和するために米国からの購入を増やすよう示唆したことを受けた。
米中両国は貿易戦争の激化を回避しているものの、トランプ米大統領は23日、米中通商協議を巡るいかなる取り決めにも「異なる構造」が必要との考えを示した。
中国は既に米国産原油と大豆の世界最大の輸入国だが、輸入増で国内消費の拡大分を補うことになる。輸入はトランプ大統領が求める対米貿易黒字の削減にも寄与する。
関係筋2人によると、中国国有エネルギー大手の中国石油化工(シノペック)<600028.SS>は、米国産原油の輸入を6月に過去最大に増やす方針。
シノペックの貿易子会社ユニペックによると、同社は6月分の米産原油を1600万バレル(日量約53万3000バレル)購入。これは月単位では過去最大で、金額にすると約11億ドルに上る。
ある関係筋は「(中国)政府が米産原油を増やすよう促している」と明かした。
また関係筋2人によると、中国食糧備蓄管理総公司(シノグレイン)は今週、米大豆市場で米大豆の価格照会を実施。中国政府の米製品買い控え方針が解除されたことを示唆している。
大豆関連の中国民間企業に勤務する関係者は「米大豆を輸入できるという民間企業にも宛てた明らかなメッセージだ」と述べた。
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