英政府、ヒースロー空港新滑走路建設計画を閣議で了承

[ロンドン 5日 ロイター] – 英政府は、ロンドンのヒースロー空港に新滑走路を建設する計画を閣議で了承した。議会の承認を得た上で2021年に着工し、26年までの運用開始を目指す。

ヒースローは欧州最大のハブ空港で、利用者数は受け入れ能力の限界に達している。過去にも拡張計画が検討されたが、周辺地域や環境団体の反対で頓挫していた。

総事業費は140億ポンド(185億ドル)で、民間の資金で賄う。議会は21日以内に採決を行わなければならない。与党・保守党内ではジョンソン外相など一部が反対しているが、調査会社コムレスの前月の調査によると、議会では承認される見通し。

グレイリング運輸相は声明で、「ヒースロー空港の拡張は、数10億ポンド規模の英経済押し上げや世界との結び付き強化、世界の航空部門での主導的地位の維持に向けた好機となる」と強調。

同相は、反対派を念頭に、新滑走路は既存の大気の質に関する規定内で運用され、夜間飛行制限や地元住民への補償、騒音の監視に向けた新たな独立組織の設置なども計画されていると説明した。

ヒースロー空港にはスペインの建設会社フェロビアル<FER.MC>、カタール投資庁(QIA)、中国の政府系ファンドである中国投資有限責任公司(CIC)などが出資している。

英財界や政界では、ヒースロー空港の拡張は貿易面や経済活性化の観点から、2016年の欧州連合(EU)離脱決定後に重要性が一段と高まる、との指摘がこれまであった。

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