6月9日(土曜日)から17日(日曜日)まで、東京都文京区にある白山神社および白山公園で、文京花の五大まつりの一つとして有名な「文京あじさいまつり」が今年も開催された。
落ち着いた雰囲気の神社の境内では、約20種、3000株ほどの色とりどりのあじさいが咲き誇り、多くの人々が訪れた。
土日には様々なイベントが行われ、子どもあじさい写生会、模擬店、バザー、紫陽花コンサート、あじさい神輿(みこし)など、子供から大人までが楽しめる内容で終日盛り上がりをみせた。
中でも着物姿で筝(そう)の演奏を披露した東洋大学筝曲研究会の演奏は、神社の古風な雰囲気の背景ともよくなじみ、観客の注目を集めた。
東京のいたるところで地域のお祭りが催されている。日本の伝統文化は、お祭りを通じて、若者たちが引き継ぎ脈々と守ってきた。これらの伝統文化には、日本に限ることではなく、先人たちから引き継いで伝えられてきた神代からの智慧(ちえ)や文化が内包されている。
会場となった東京・文京区の白山神社のルーツは白山信仰にある。白山信仰とは石川県、福井県、岐阜県にまたがる白山に関わる山岳信仰で、白山は古くから富士山、立山とならび「日本三名山」に数えられた霊峰だ。日本各地には約2,700社あまりの白山神社があり、白山比咩神社(石川県白山市)がその総本社となっている。白山は豊富な淡水を供給する水源として人々の生活を成り立たせていたため、古代より「命をつなぐ親神様」として崇められていた。
東京・文京区の白山神社の創開は、天暦年間(947~957)に加賀一宮白山比咩神社を現在の本郷一丁目の地に勧請したと伝えられる。勧請とは、「勧め請う」という意味の仏教用語であるが、日本では仏神を寺社に新たに迎えて奉安することをもいう。
日本のお祭りを通して、地元にまつわる日本の歴史を振り返ってみると、意外なつながりに気づくことも少なくない。
(文:青石)
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