どんなに難しい子供でも、必ずいい所があるはず。厳しくしつけるのもいいですが、子供を丸ごと信じて、ポジティブな言葉で導くのも一つの道です。いずれにしろ、子供の長所を潰さずに伸ばしてあげられるかどうかは、周りにいる大人の懐の深さにかかっています。
米アリゾナ州で育ったクリスティン・ギルマー(Christin Gilmer)さんは12歳の時、担任の先生から成績表をもらいました。
そこには、次のようなコメントが。「あなたがクラスにいて、とても楽しかったわ。その調子でこれからも頑張ってください。ハーバード大学の卒業式に、ぜひ招待してくださいね!」
メッセージを書いたのは、ジュディス・トーシン(Judith Toensing)先生。世界で起こっている出来事や、人権問題などを熱心に教え、クリスティンさんの興味を掻き立てました。先生の言葉は彼女に自信を与え、ハーバード大学への夢が身近なものとなりました。
「母親以外で、私の夢と能力を信じてくれる人がいる。それは、私にとって特別なことでした」
その後、コロンビア大学を卒業し、ハーバード大学で公衆衛生学の博士課程を修了したクリスティンさん。卒業式を前に、彼女はお世話になった人たちに、特にトーシン先生に対して、Facebookでメッセージをつづりました。
「人々を助けるのはパワフルな武器になるということを、トーシン先生が教えてくれました。教育を通して、困窮している人たちを助けることができるのです」
「他人のために働く彼女の情熱を、決して忘れません」
その後、経緯を知った大学側は、トーシン先生を卒業式に無料で招待することに。学長は式典で、トーシン先生を称賛しました。
「生徒たちを啓発し、他人のために働くことで自己実現をめざすよう導く。あなたの働きのおかげで、私たちの仕事が成り立っています。どうぞもっと多くの生徒を私たちの元へ送って下さい!」
卒業後は、アリゾナ州へ戻って地元のコミュニティーのために働きたいと話すクリスティンさん。一方、トーシン先生は今も彼女に大きな期待を寄せていると話しています。
「彼女がめざす道のりは長いですが、持ち前の粘り強さ、献身、情熱で、将来は人類を助ける人物になるでしょう」
20年以上前に、すでに生徒の将来を予見したトーシン先生。恩師の言葉が、子供の人生に大きな影響を与えたというエピソードでした。
(翻訳編集・郭丹丹)
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