暗雲立ち込める巨大構想
中国で「一帯一路」報道自重ぎみ 評判振るわず
61年振りに政権交代したマレーシアのマハティール政権は、ナジブ前首相と中国共産党政府が契約した、2つの一帯一路プロジェクトである計4兆円相当の鉄道計画の中止と見直しを発表した。国内の専門家から、親中ナジブ前政権のように政治腐敗と巨額負債を促すとの声が強まっていた。7月初旬にナジブ氏が逮捕されたことにより、さらに負のイメージとのつながりが色濃くなる一帯一路。中国政府は内外の情報に敏感になり、宣伝報道を抑制するようメディアに指示している。
中国国内メディアによると、中央政府は一帯一路に関する宣伝報道や発表を自粛している。指示では、次の2点を強調したという。1.マーシャル・プラン(米国による経済疲弊国救済計画)の中国版ではない。 2.一帯一路はイニシアチブ(構想)であり、戦略計画ではない。
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