タイ近郊でクレーン倒壊事故 2人死亡 前日32人死亡事故と同一建設会社

2026/01/17 更新: 2026/01/17

タイ・バンコク近郊で15日、高速道路建設現場のクレーンが倒壊し、2人が死亡、5人が負傷した。現場の工事を担当していたのは、同国建設最大手のイタリアン・タイ・デベロップメント社(ITD)で、同社は前日にクレーンが落下して列車が脱線し、32人が死亡した別の工事事故でも施工を担当していた。タイ当局が事故原因の調査を進めている。

ITDは、中国共産党(中共)政権の国有企業である中国鉄道集団と関係が深いとされている。今回事故を起こしたクレーンの製造国やブランドは、現時点では公表されていない。

タイ警察によると、15日午前、サムットサーコーン県のラマ2世通りで、建設中のクレーンの部品が崩落し、2人が死亡、5人が負傷した。

「バンコク・ポスト」紙は、倒壊したクレーンが走行中の車2台を直撃したと報じている。

AFPが確認したドライブレコーダーの映像では、大型クレーンが倒壊した瞬間、現場に大量の土ぼこりが舞い上がり、瓦礫が周囲に飛散した。多くの車両が破片を避けるために停車したり後退したりする様子が映っている。

これはタイで2日間に起きた2件目の死亡事故となるクレーン倒壊事故で、タイメディアによると、ピパット交通省代理大臣は、2日間に発生した2件の致命的事故はいずれも、建設最大手のITDが施工を担当していたと述べた。



タイ一帯一路工事中 クレーン倒壊 列車に衝突 死者32人 

1月14日、タイの「一帯一路」関連の高速鉄道工事現場で、クレーンが倒壊して走行中の旅客列に衝突する重大事故が発生し、同日午後までに少なくとも32人が死亡、64人が負傷した同社は昨年3月のミャンマー大地震で、バンコクで唯一倒壊した監査事務所ビルの施工も担当していた

ITDは、ナコンラチャシマ県で進められている中国出資の高速鉄道建設区間を請け負っており、この工事現場では14日、大型クレーンが落下し、その下を走行していた旅客列車が脱線する事故が発生した。列車に乗っていた約200人のうち、約32人が死亡し、60人余りが負傷した。

タイ中高速鉄道プロジェクトの公式サイトによると、事故が起きた工事区間は、中タイが共同で進める高速鉄道建設事業の一部で、バンコクとカンボジア、中国・昆明を結ぶことを目標としており、2028年の完成を予定している。この事業は、中共の「一帯一路」構想における東南アジアの主要プロジェクトの一つとされる。

タイと中国は計14件の工事契約を結んでおり、現在は第1期工事として、バンコクからナコンラチャシマ県までの区間が建設中だ。中国鉄道集団とITDは、この事業に関与する主要な建設会社である。

事業への投資はすべてタイ側が負担し、土木工事を行う一方、建設技術や鉄道システムには中国方式が採用されている。今回事故が起きた区間はITDが施工を担当していたが、土木設計や工事監理、コンサルティング業務は中国側が担っていた。

タイのアヌティン首相は14日、責任の所在について「請負業者だけでなく、設計者やコンサルタントにも責任がある」と述べた。

BBCやタイメディアによると、線路上に落下したクレーンは第1期工事の第3~第4工区に属し、この区間を施工していたITDは、この大規模プロジェクトでさらに2件の工事契約も請け負っている。そのうち1件は、中国鉄道集団の子会社「中鉄十局」との合弁企業によるものだという。

「バンコク・ポスト」紙は、プレストレスト橋梁の架設に使用されていた桁架クレーンはITDが保有していたと報じている。

現時点では、事故を起こしたクレーンの製造国やブランドについて、公式な発表や確定的な報道はない。ただし、業界関係者の間では、「一帯一路」関連事業が中国の技術や設備供給網に依存していることから、中国製である可能性が高いとの見方も出ているが、確認は取れていない。

ITDは中国鉄道集団傘下の中鉄十局と関係が深く、これまでにもタイ政府の複数の重要建設プロジェクトで協力してきた。昨年、両社が共同で建設を請け負ったバンコクの会計検査院ビルは、ミャンマーの地震の影響を受け、タイ国内で唯一倒壊した建物となり、95人が死亡した。このため、「一帯一路」関連事業の安全性を疑問視する声も出ている。

米経済学者の李恒青氏は、新唐人テレビに対し、「中国では過去数十年、不動産や橋梁、鉄道、トンネル、ダム建設などで品質面の問題が繰り返されてきた」と指摘した。その上で、「設計から施工、監督に至るまで不正や手抜きが重なり、コスト削減と利益優先の構造が品質低下を招いてきた。その結果、後になって大きな事故につながる」と指摘した。

唐兵
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